交響曲「ザ・グレート(グレイト)」

シューベルト(Franz Peter Schubert/1797–1828)

『ザ・グレート(グレイト)The Great』の通称で知られるシューベルトの交響曲 ハ長調 D944。

同じくハ長調のシューベルト交響曲第6番と区別する意味で、より規模の大きいD944を「大ハ長調」、英語では「The Great C major」と表記し、この「大(The Great)」の部分から「ザ・グレート」の通称が生まれた。

写真:国際シューベルト協会があるドイツ・チュービンゲン(Tübingen)

ナンバリングの変更について

交響曲の番号については、未完成の作品を除くと7番目になることから「第7番」とされていたが、20世紀半ばごろから「未完成だが演奏される」2作品がカウントされるようになると、「ザ・グレート」は「第9番」とナンバリングが変更された。

さらに1978年には未完成・完成の判断基準が変わり、「シューベルトの自筆譜のままで演奏可能な状態にある作品」を完成した交響曲として定義したことから、その8番目の交響曲として「ザ・グレート」は交響曲第8番とされることが多くなった。

国際シューベルト協会や多くの楽譜出版社などがこの第8番を採用している。カッコ書きで(第9番)と付記されるケースも見られる。

ちなみに、シューベルト『未完成交響曲』は自筆譜のままで十分演奏可能な状態にある作品として「交響曲第7番」とナンバリングされている。

シューマンがメンデルスゾーンに初演を依頼

交響曲『ザ・グレート(グレイト)』は、シューベルトが亡くなる数年前の1826年頃に作曲された。シューベルトは楽譜をウィーン楽友協会へ二度に渡って提出したが、協会側に演奏困難と判断され、シューベルトの生前に同曲が演奏されることはなかった。

初演は、シューベルトの死後から10年以上経過した1839年3月21日、ドイツの都市ライプツィヒ(Leipzig)にて、メンデルスゾーンの指揮によりライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏で実現した。

1839年の1月にシューベルト宅を訪れたシューマンは、シューベルトが生前使っていたデスクの上に置かれた交響曲の楽譜を目にした。歌曲のイメージが強かったシューベルトの貴重な交響曲作品の存在を初めて知ったシューマンは、シューベルトの兄を説得し、親友のメンデルスゾーンの下へ直ちに交響曲『ザ・グレート(グレイト)』の楽譜を送り届け演奏を依頼したという。

【試聴】シューベルト交響曲第9番《ザ・グレート》より第1楽章

【試聴】第4楽章

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