威風堂々

エドワード・エルガー(Edward Elgar/1857-1934)

『威風堂々(いふうどうどう)』は、イギリスの音楽家エドワード・エルガー(Sir Edward William Elgar/1857-1934)作曲による管弦楽のための行進曲集。英語のタイトルは『Pomp and Circumstance Military Marches』。

全部で6曲から構成され、第1番から第4番は1901年から1907年までに作曲され、第5番は晩年の1930年に作曲された。

第6曲目は1996年に大英図書館で発見された主要主題を含む草稿などを元に、2005年から2006年にかけて補筆されたもの(初演は2006年8月)。

特に有名な第1番の中間部

第1番の中間部の旋律は特に有名であり、日本では単に『威風堂々』と言った場合は第1番あるいはその中間部の旋律を指すことが多い。

イギリスでは、この中間部の旋律は『Land of Hope and Glory(希望と栄光の国)』と題され、第2の国歌として愛唱されている。

BBCプロムスの定番曲

ロンドンで開催される夏のクラシックコンサート「BBCプロムス(ザ・プロムス/The Proms)」では、その最終夜「Last Night of the Proms ラスト・ナイト・オブ・ザ・プロムス」において、第2部の最後を締めくくるトリの曲として、このエルガー『威風堂々』第1番が恒例として演奏される。

ちなみに同曲の前に演奏される曲目として、イギリス愛国歌として『ルール・ブリタニア』、『エルサレム(ジェルサレム)』も定番曲となっている。

イギリス国歌 『God Save the Queen 神よ女王を守りたまえ』

The Last Night Of The Proms [DVD] [Import] (2000)
2000年夏に開催されたBBCプロムス最終夜の演奏を収録した貴重なDVD映像。輸入盤だが英語字幕あり(日本語字幕なし)。

タイトルの意味は?

『威風堂々』の原題『Pomp and Circumstance Military Marches』の「Pomp and Circumstance」とは、シェイクスピアの戯曲「オセロ」第3幕第3場のセリフから取られたタイトル。

"The royal banner, and all quality,
Pride, pomp, and circumstance of glorious war!"

堂々たる軍旗、輝かしい戦場におけるいっさいのもの
その誇り、壮絶な光景!

小田島 雄志『オセロー/シェイクスピア全集』白水Uブックスより

pomp とは「華やかさ、壮麗、華麗、ものものしさ」、circumstance とは「儀式張ったこと、物々しさ」と言った意味がある(リーダーズ英和辞典、リーダーズ・ブラスより)。

ディズニー映画「ファンタジア2000」

ファンタジア2000 ブルーレイ・セット

クラシック音楽とアニメーションが融合したディズニー映画「ファンタジア2000(Fantasia 2000)」では、「ノアの方舟」をモチーフとしたドナルドダックのシーンで、エルガー『威風堂々』の第1番から第4番の一部が用いられた(映画独自のアレンジあり)。

映画「ファンタジア2000」では他にも、ベートーヴェン交響曲第5番「運命」ガーシュウィン『ラプソディ・イン・ブルー』ストラヴィンスキー『火の鳥』など、世界各国の作曲家によるクラシック音楽の名曲が使用されている。

【試聴】エルガー行進曲「威風堂々」第1番