英雄ポロネーズ ショパン

1848年フランス2月革命とジョルジュ・サンドの叫び

『英雄ポロネーズ』は、1842年に作曲されたショパンのピアノ独奏曲「ポロネーズ第6番変イ長調」作品53。ポロネーズとはフランス語で「ポーランド風」の意味。

ショパン『ポロネーズ第6番』につけられた「英雄」の副題は、ショパン自身が考えたものではない。誰がどのような経緯で命名したのかについては定説はないようだが、この点について興味深い逸話を一つご紹介したい(後述)。

挿絵:オラース・ヴェルネ作「スフロ通りのバリケード」1848

【試聴】英雄ポロネーズ Heroic Polonaise

「英雄」の副題とフランス2月革命

ショパンが亡くなる1年前の1848年、フランスでは2月革命が勃発していた。かつてショパンと深い関係を持ったフランスの女流作家ジョルジュ・サンドは、当時小規模な新聞を発行しており、エッセイ等で政治的なメッセージを精力的に発信していた。

次々と銃弾に倒れていく革命の労働者たち。彼女はショパン『ポロネーズ第6番変イ長調』を聴きながら、ショパンへの手紙の中で次のように書き記したという。

L'inspiration! La force! La vigueur! Il est indéniable qu'un tel esprit doit être présent dans la Révolution française. Désormais cette polonaise devrait être un symbole, un symbole héroïque!

霊感!武力!活力!疑いなくこれらの精神はフランス革命に宿る!これより、このポロネーズは英雄たちの象徴となる!

ショパンは自身の作品に副題をつけることを嫌っていたが、フランス革命当時の知識人や演奏家らはこぞって同曲を「英雄ポロネーズ」として喧伝していったそうだ。

このエピソードの真偽にについては不明だが、時代背景も説得力があり、なかなか筋の通った興味深い逸話と思われる。

ドラマやアニメで使われた英雄ポロネーズ

ショパン『英雄ポロネーズ』は日本でも知名度が高く、テレビアニメやドラマなどでピアノ演奏のシーンでの演奏曲やBGMとして度々用いられてきた。

アニメでは、1980年代に放送された往年の高校野球ラブコメ「タッチ」でヒロインの浅倉南が新体操を演じるときにBGMとして使われた。

1999年放送のアニメ「ハンターハンター HUNTER×HUNTER」48話では、ネオン護衛団のリーダーであるダルツォルネが『英雄ポロネーズ』をピアノ演奏するシーンが登場する。

ドラマでは、1996年放送の「ロングバケーション」にて、 木村拓哉が演じる主人公の瀬名秀俊がピアノを演奏するシーンで『英雄ポロネーズ』が用いられた。

水谷豊主演の刑事ドラマ「相棒」では、第3シーズン第14話「殺しのピアノ」で水谷豊が『英雄ポロネーズ』を演奏するシーンが見られる。水谷豊は、1977年のドラマ「赤い激流」でも同曲を演奏している。

関連ページ

ショパンの有名な曲・代表曲
『幻想即興曲』、『ノクターン』、『別れの曲』など、フレデリック・ショパンのショパンの有名な曲・代表曲まとめとYouTube動画の試聴
ポーランド民謡 有名な歌
『森へ行きましょう』、『歌うよカッコー(カッコウ)』、『おしゃべりあひる』など、ショパンの祖国ポーランドの有名な民謡特集
有名なクラシック音楽の名曲・代表曲
バッハ、ベートーヴェン、モーツァルト、ショパン、チャイコフスキーなど、有名なクラシック音楽家による名曲・代表曲の解説とYouTube動画の視聴