お仙 おせん 茶屋「鍵屋」の美人看板娘
わらべうた『向う横丁のお稲荷さん』で歌われる茶屋娘
『向う横丁のお稲荷さん』の歌詞で歌われる「お仙(おせん)」とは、江戸谷中にあった笠森稲荷の門前(または境内)に実在した水茶屋「鍵屋」で看板娘として働いていた笠森 お仙(かさもり おせん/1751-1827)のこと。
お仙は、その美しさから江戸中の評判となり、浮世絵師・鈴木春信の美人画のモデルとなったほか、流行歌『向う横丁のお稲荷さん』として歌い広められた。
挿絵:鈴木春信の美人画「笠森お仙」
お仙グッズも販売
お仙人気で笠森稲荷と茶屋は繁盛し、鍵屋ではお仙の美人画や手ぬぐいなど「お仙グッズ」も販売されていたという。
1770年に笠森稲荷の地主の許に嫁ぎ、9人の子宝に恵まれ、文政10年に長寿を全うした。お仙の墓は、東京都中野区上高田の正見寺にあり、墓石は1994年に中野区登録有形文化財に登録されている。
お仙のいた茶屋「鍵屋」は、現在の「功徳林寺(くどくりんじ)」(台東区谷中7-6-9)内の笠森稲荷(上写真)が跡地として現代まで語り継がれている。
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