ダンチョネ節 歌詞・意味・語源
八代亜紀『舟唄』や戦時中の飛行機乗りの替え歌で知られる神奈川県民謡
『ダンチョネ節』は、神奈川県三浦市三崎町に伝わる民謡・俗謡・端唄(はうた)。大正時代に流行し、現代に至るまで多数の替え歌が存在する。
特に、八代亜紀『舟唄』に組み込まれた『ダンチョネ節』の替え歌や、戦時中の飛行機乗りの心情を歌った替え歌が有名。
写真:城ヶ島と三浦半島を結ぶ城ヶ島大橋(出典:Wikipedia)
替え歌ではないオリジナルの『ダンチョネ節』の歌詞では、同じく神奈川県民謡とされる『三崎甚句』や、北海道民謡『ソーラン節』、広島県民謡『音戸の舟唄(おんどのふなうた)』など様々な漁師系民謡の歌詞がほぼそのままの形で転用されている。
三浦市では、『ダンチョネ節』と『三崎甚句』の歌唱コンクール全国大会が開催されている(会場:三浦市民ホール)。
ダンチョネの意味・語源は?
「ダンチョネ」という言葉の意味・語源については、漁師の掛け声とする説や、「断腸の思い(非常に苦しく悲しい気持ち)」が語源とする説など諸説ある。
さらには、「当っている、的中している」を意味する「当中(ダンチョン)」が語源と断言する解説もネットには見られ、諸説入り乱れて混沌の様相を呈している。
【YouTube】 ダンチョネ節
普通の歌詞
三浦三崎でョ どんと打つ波はネ
可愛いお方のサ 度胸試し
ダンチョネー
泣いてくれるなョ 出船(でふね)の時に
沖で櫨櫂(ろかい)もサ 手につかぬ
ダンチョネー
逢いはせなんだかョ 館山(たてやま)沖で
二本マストのサ 大成丸
ダンチョネー
沖の鴎(カモメ)にョ 潮時問えば
わたしゃ立つ鳥サ 浪にきけ
ダンチョネー
戦時歌謡(替え歌)
沖の鴎と 飛行機乗りは
どこで散るやらね
はてるやら ダンチョネ
俺が死ぬとき ハンカチ振って
友よあの娘よね
さようなら ダンチョネ
玉は飛び来る マストは折れる
ここが命のね
捨てどころ ダンチョネ
俺が死んだら 三途の川で
鬼を集めてね
相撲とる ダンチョネ
飛行機乗りには 娘はやれぬ
やれぬ娘がね
行きたがる ダンチョネ
三浦の岬でよ どんと打つ波はね
可愛い男のさ
度胸試し ダンチョネ
別れる船ならよ 夜更けに出しゃれね
帆影見てさえさ
泣けてくる ダンチョネ
大成丸について
民謡『ダンチョネ節』の歌詞に登場する「大成丸(たいせいまる)」は、1904年(明治37年)に建造された日本の航海練習船。マストは三本。
1912年(明治45年)、大成丸は、千葉県館山市の館山港から世界一周航海(東回り)に出発。航海日数456日、航海距離3万6,377海里を経て、1913年(大正2年)12月に帰港した。
写真:大成丸(出典:Wikipedia)
この世界一周航海は、「大成丸世界周遊記」として新聞で連載され、夏目漱石の激賞を受けた。漱石が序文を寄せた単行本はベストセラーとなり、商船学校や海軍兵学校への志願者が増加したという。
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