茶摘 ちゃつみ 歌詞の意味
夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る
「夏も近づく八十八夜」の歌い出しで知られる『茶摘(ちゃつみ)』は、1912年(明治45年)刊行の唱歌集「尋常小学唱歌」に掲載された日本の唱歌。
一説によれば、『茶摘(ちゃつみ)』は京都の宇治田原村の茶摘歌がルーツとされ、歌詞の二番にある「日本」は元々は「田原」だったという。
京都の宇治田原村は、江戸時代に煎茶製法を確立した永谷宗円が有名(永谷園創始者の先祖)。山本山は宗円の茶を販売して莫大な富を築いた。
【YouTube】『茶摘(ちゃつみ)』
歌詞
夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは
茶摘じゃないか
茜襷(あかねだすき)に菅(すげ)の笠
日和つづきの今日此の頃を、
心のどかに摘みつつ歌ふ
摘めよ 摘め摘め
摘まねばならぬ
摘まにや日本の茶にならぬ
歌詞の意味
茜襷(あかねだすき)とは、上の写真にもあるように、茶摘み娘が方から掛けている茜色(赤い色)のたすきのこと。
「たすき(襷、手繦)」とは、和服の袖や袂が邪魔にならないようにたくし上げるための紐や布地のこと。
スゲ(菅)は、カヤツリグサ科に属する多年生の草本で、笠や蓑(みの)、注連縄(しめなわ)などに用いられる。
八十八夜(はちじゅうはちや)とは?
八十八夜(はちじゅうはちや)とは雑節の一つで、立春から数えて88日目の日を指し、毎年5月2日頃がこの日にあたる。
この時期は、明け方にかけて遅霜(おそじも)が発生しやすく、農作物に被害が出るおそれがあり、農家に対して特に注意を喚起するためにこの雑節が作られたという。
八十八夜を過ぎると、数日で立夏(りっか)を迎える(5月6日ごろ)。暦の上では、もう夏が始まろうとしているようだ。
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