ムーンリバー Moon River 歌詞の意味・和訳
オードリー・ヘプバーン主演映画「ティファニーで朝食を」主題歌
『ムーン・リバー(Moon River)』は、1961年に公開された映画「ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany's)」主題歌。
主演女優のオードリー・ヘプバーンが劇中でギターを弾きながら歌った。同年のアカデミー主題歌賞を受賞している。作詞:ジョニー・マーサー、作曲:ヘンリー・マンシーニ。
アンディ・ウィリアムス、ルイ・アームストロング、サラ・ブライマン、サラ・ヴォーン、フランク・シナトラなど、数多くのアーティストによりカバーされた。
ちなみに、ヘンリー・マンシーニが作曲した映画音楽としては、1970年公開の映画「ひまわり」より『愛のテーマ』や、1962年公開の映画「酒とバラの日々」主題歌などが有名。
ジャケット写真:映画『ティファニーで朝食を』DVD
映画『ティファニーで朝食を』は、ニューヨークの安アパートに暮らすホリーと作家志望の青年ポールの間に生まれる都会の雰囲気漂う洒落たラブストーリー。
オードリー・ヘプバーン演じるホリーが、ニューヨーク五番街の宝石店ティファニーの前で、ショーウィンドウを覗き見ながら朝食のクロワッサンをかじるシーンが有名。
【YouTube】オードリー・ヘプバーン『ムーン・リバー』
歌詞の意味・和訳(意訳)
『Moon River』
作詞:ジョニー・マーサー(Johnny Mercer)
作曲:ヘンリー・マンシーニ(Henry Mancini)
Moon river, wider than a mile
I'm crossing you in style some day
ムーンリバー とても広い川
堂々と渡ってみせる いつの日か
Oh, dream maker
You heart breaker
Wherever you're going
I'm going your way
夢をくれたり 心を傷つけたり
あなたが行く所どこへでも
私はついていく
Two drifters, off to see the world
There's such a lot of world to see
2人の流れ者が 世界へ旅立つ
まだ見ぬ世界が広がる
We're after the same rainbow's end,
waiting, round the bend
My Huckleberry Friend,
Moon River, and me
私達は目指す 同じ虹の終わりを
待ち合わせましょう あの曲がり角で
私の大切な友達
ムーンリバーと私
歌詞は作詞者の少年時代
『ムーン・リバー』作詞者のジョニー・マーサーは、アメリカ南部ジョージア州サヴァンナの出身。映画でオードリー演ずる主人公ホリーも同じ南部出身というつながりから、作詞者の少年時代の思い出が歌詞に盛り込まれているという。
作詞者の実家近くに流れるバックリバー(Back River)をイメージしたもので、同曲の大ヒットを受けて、この川の名前もムーンリバーに変更されている。
『ムーン・リバー』歌詞の和訳に当たっては、作詞者の少年時代がイメージされていることに着目して、少年視点(主語は「僕」)で訳出することも可能と思われる(特に男性歌手の場合)。
ちなみに、メロディの音域は、1オクターブと1音しかないオードリー・ヘプバーンの声域に合わせて作曲されている。
Huckleberry(ハックルベリー)とは?
『ムーン・リバー』歌詞の最後にある「Huckleberry」(ハックルベリー)とは、北米で見られるツツジ科のスノキ属およびGaylussacia属の植物に対する総称。コケモモに近い。
写真:ハックルベリーの実(出典:Wikipedia)
ハックルベリーの丸い果実はブルーベリーに似ているが、ブルーベリーにはない独特の酸味や香りがある。多くのレシピでブルーベリーの代わりに使える。
スラングとしてのハックルベリー
ウィキペディアの解説によると、「Huckleberry」(ハックルベリー)は英語のスラング(俗語・隠語)として様々な意味合いがあるという。
一例を挙げると、「小さいもの(親しみを込めて)」、「取るに足らない人物」、「ばかなやつ」など。
これとは逆のベクトルで、「重要な人物」や「優れた人物」を指すこともあるという。
『ムーン・リバー』の歌詞でこれらを当てはめるとすれば、「Huckleberry Friend(ハックルベリー・フレンド)」とは、「大事な友達」、「大切な親友」といった意味合いになるだろうか。
トム・ソーヤーの冒険と関連付け
ハックルベリーといえば、「トム・ソーヤーの冒険」に登場するトムの親友ハックルベリー・フィンが主出される。
「トム・ソーヤーの冒険」の舞台はミシシッピ川のほとりの小さな町で、作詞者の実家近くに流れるバックリバー(Back River)とイメージが重なる。
『ムーン・リバー』の歌詞全体を見ると、まだ見ぬ世界へ二人で旅立つ旨のくだりがあるので、「トム・ソーヤーの冒険」に寄せて、「Huckleberry Friend」を「冒険仲間」と訳してもしっくりくるかも知れない。
ヘンリー・マンシーニ作品
- 映画「ひまわり」より『愛のテーマ』
- アカデミー賞受賞作曲家のヘンリー・マンシーニが手がけた映画音楽
- 酒とバラの日々 Days of Wine and Roses
- アカデミー歌曲賞・グラミー賞3部門を受賞した往年の映画テーマ曲
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