アイルランド独立戦争

マイケル・コリンズ(Michael Collins/1890-1922)

1918年の英国議会総選挙でシン・フェイン党が圧勝すると、1919年1月21日にシン・フェイン党の議員らにより第一回アイルランド国民議会(ドイル・エアラン)が開催され、アイルランド独立宣言が採択された。

イギリス政府はこれを真っ向から否定し、ついに両国の間でアイルランド独立戦争が勃発した。

アイルランド独立戦争で活躍した人物といえば、シン・フェイン党幹部、IRA(Irish Republican Army/アイルランド共和軍)情報部長のマイケル・コリンズ(Michael Collins/1890-1922)が世界的に有名。

イギリス政府から恐れられたマイケル・コリンズ

マイケル・コリンズ(右写真)は、臨時政府の財務大臣として国債を発行し海外から資金を調達。IRAを指導し必要な軍事物資を供給するとともに、イギリス政府の要人暗殺を狙う特殊部隊「十二使徒 the Twelve Apostles/the Squad」を組織し、表と裏から独立戦争を勝利に導いていった。

コリンズはイギリス政府から最重要危険人物として恐れられ、その首には1,000万ポンドの懸賞金がかけられていた。

アイルランド自由国が成立

1921年5月に両国の首脳会談が実現すると、7月には休戦が成立。イギリスのロイド首相の提案で、北アイルランドのアルスター6州以外の独立を認める条約案が提示され、同年12月にアイルランド代表が条約に調印。

翌年1月にアイルランド国民議会で条約が承認され、イギリス連邦下のアイルランド自由国が成立した。

その後、1931年にウェストミンスター憲章が成立すると、カナダオーストラリアと同様に、イギリスと対等な主権国家として認められ、1938年にはイギリスの承認を得て、イギリス連邦内の「アイルランド共和国」として独立を果たした。1949年にはイギリス連邦も脱退している。

ちなみに、イースター蜂起からアイルランド独立戦争を描いた映画としては、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した1996年の映画『マイケル・コリンズ Michael Collins』が有名。

主役は映画『シンドラーのリスト』(スピルバーグ監督)でシンドラー役を演じたリーアム・ニーソン(北アイルランド出身)。ヒロインはジュリア・ロバーツ。

また、アイルランド独立戦争とその後のアイルランド内戦を背景とした2006年の映画『麦の穂をゆらす風 The Wind That Shakes the Barley』は、第59回カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを受賞している。

この2作品を見ることで、独立戦争前後のアイルランドの歴史的な空気を視覚的に感じ取ることができるかもしれない。

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