ガルパン劇場版 ジェロニモと西部劇テーマ曲

アニメ作品の元ネタ・オマージュ・パロディ

アニメ「ガールズ&パンツァー」劇場版では、遊園地内の西部劇セットでカチューシャが「ジェロニモ!」と呼ばれるシーンがある。この「ジェロニモ」についてと、そこでBGMとして流れる音楽の元ネタについて簡単に触れてみたい。

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ジェロニモ(Geronimo/1829-1909)は、実在したアメリカインディアン(アパッチ族)。メキシコ軍に家族を虐殺され、対白人への復讐にその後の生涯を捧げた。死を恐れぬ勇猛な戦い振りは仲間の尊敬を集め、守護聖人の「ジェロニモ」の名で称賛された。

さて、遊園地跡へ移動前の野戦において窮地に陥ったプラウダ高校。隊長のカチューシャを逃がすため、ノンナ、クラーラ、ニーナ達は自らの身を挺して殿(しんがり)をつとめた。

家族以上とも言える信頼で結ばれた仲間達の犠牲に報いるため燃えるカチューシャ。アメリカ西部劇セットに突入したチームのメンバーは、家族の復讐に命を賭したジェロニモとカチューシャを重ね合わせ、「ジェロニモ!」とからかい半分に褒め称えたのだろう。

音楽はアメリカ西部劇映画「荒野の七人」テーマ曲

西部劇セットの戦闘シーンで流れる音楽・BGMは、1960年のアメリカ西部劇映画「荒野の七人 The Magnificent Seven」メインテーマ曲のオマージュと考えられる。

元ネタが非常に分かりやすくアレンジされているため、原曲との著作権関係上ヒヤヒヤするが、ガルパンサントラCDには「ジェロニモです!」のタイトルで、この西部劇シーンのBGMが収録されている。

ちなみに、「荒野の七人」の原作は黒澤明監督の日本映画「七人の侍」(1954年)。「七人の侍」サントラも同じくガルパン劇場版でオマージュ使用されている。

拳銃早撃ちの決闘パロディ

西部劇セットでの最後のシーンでは、アリクイさんチーム(ネット戦車ゲームチーム)が1対1のタイマン勝負で正面の撃ち合い勝負に見事勝利しているが、このシーンはよく西部劇映画で見られる拳銃早撃ちの決闘シーンのパロディと思われる。

ネトゲばかりでひ弱だったアリクイさんチームが、劇場版では必死に筋トレをこなして腕力が上がり、この決闘シーンでの迅速な装填と早撃ち勝利につながっているのが何とも胸を熱くさせられる。

ちなみに、決着がついた後にパーシングの車輪が画面下を横切る様子は、西部劇の荒野を風に吹かれてコロコロ転がっているタンブル・ウィード(回転草/オカヒジキ属の植物)の比喩だろう。

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