ブラームスの子守歌 歌詞の意味 和訳 日本語の歌詞

ヨハネス・ブラームス(Johanes Brahms/1833-1897)

『ブラームスの子守歌』は、19世紀ドイツの作曲家ヨハネス・ブラームスによる作品49「5つの歌曲(Funf Lieder)」の第4番目の歌曲

ブラームスが指導していた合唱団員ベルタ・ファーバ(Bertha Faber)の第2児出産祝いに贈られたとされる。

日本語歌詞(訳詞)がいくつか存在するが、堀内敬三版、中山知子版などが特に有名と思われる(詳細は後述する)。

ブラームスの主要作品としては、4つの交響曲、2つのピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲、合唱と管弦楽のための『ドイツ・レクイエム』などがある。

これらの作品は世界各地のオーケストラで現在でも主要な演奏レパートリーとして取り上げられている。

ブラームスはまた変奏曲の大家でもあり、管弦楽曲『ハイドンの主題による変奏曲』、ピアノ独奏曲『ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ』、『パガニーニの主題による変奏曲』などが有名。

【YouTube】ブラームス子守唄 ウィーン少年合唱団

歌詞の意味・日本語訳(意訳)

Guten Abend, gut' Nacht
Mit Rosen bedacht
Mit Naglein besteckt
Schlupf unter die Deck'
Morgen fruh, wenn Gott will
Wirst du wieder geweckt
Morgen fruh, wenn Gott will
Wirst du wieder geweckt

おやすみなさい お眠りなさい
バラと撫子に囲まれ
布団の中へお入り
朝が来て 神の意志により
貴方はまた目覚める 

Guten Abend, gute Nacht,
von Eng'lein bewacht,
die zeigen im Traum
dir Christkindleins Baum;
schkaf'nun selig und suess,
schau' im Traum's Paradies,
schkaf'nun selig und suess,
schau' im Traum's Paradies.

おやすみなさい お眠りなさい
天使達に見守られ
キリストの子の木を夢見る
安らかに眠れ 夢の楽園の中で

日本語の歌詞・訳詞 堀内敬三版

堀内敬三の訳詞による『ブラームスの子守歌』日本語歌詞を次のとおり引用し、その歌詞の意味を簡単に補足してみたい。

眠れよ吾子(あこ) 汝(な)をめぐりて
美(うるわ)しの 花咲けば
眠れ、今はいと安(やす)けく
あした窓に 訪(と)いくるまで

眠れよ吾子 汝が夢路を
天(あま)つ使い 護(まも)りたれば
眠れ、今はいと楽しく
夢の園に ほほえみつつ

吾子(あこ)

「吾子(あこ)」とは、ここでは「わが子、自分の子」の意味。

汝をめぐりて

「汝(な)」とは、「あなた、おまえ」の意味。なんじ。

「汝をめぐりて」とは、「あなたの周りに」の意味。

いと安(やす)けく

「いと」は、「大変、非常に、きわめて、たいそう、とても、実に」といった意味。

「安(やす)けく」は、心が安らかであること。

天(あま)つ使い

「天(あま)つ使い」とは、「天の使い、天使」のこと。

中山知子版 日本語の歌詞・訳詞

中山知子の訳詞による『ブラームスの子守歌』日本語歌詞を次のとおり引用し、その内容を簡単に確認してみたい。

バラの花は 風に揺れて
夢の歌を うたいます
ねむれぼうや 静かな夜
花の中で 朝を待つの

空の星は ひかり青く
夢の国へ さそいます
ねむれぼうや はるかな空
星の中を かけていくの

原曲のドイツ語の内容をある程度踏まえつつ、少ない文字数と平易な現代語が用いられており、子供にも歌いやすい訳詞となっている。

武内俊子版 訳詞

ねんねんころり 母のひざは
夢を誘う ゆりかごよ
ゆらり ゆらり ゆらり揺れて
夢の園へ 乳をのみに

ねんねんころり 母の歌に
月も昇る 夢の小道
ひらり ひらり ひらり蝶々
花のかげへ 宿をかりに

緒園涼子版 訳詞

ねむれよあ子 ばらの花
汝(な)がもとに 咲きめぐる
ねむれあ子よ いと楽しく
夜のとばり きえゆくまで

ねむれよあ子 天(あま)つ神
汝が夢路 みまもれば
ねむれあ子よ 眼(まなこ)とじて
楽し夢路 たどりゆけよ

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