弦楽のためのアダージョ(バーバー)
バーバーのアダージョ/バーバーのアダージオ
『弦楽のためのアダージョ Adagio for Strings』は、アメリカの作曲家サミュエル・バーバーによる1938年初演の楽曲。作曲者の名前をとって「バーバーのアダージョ」または「バーバーのアダージオ」とも呼ばれる。
サミュエル・バーバー(Samuel Barber/1910-1981)は、ペンシルヴァニア州ウェスト・チェスター出身。フィラデルフィアのカーティス音楽学校で作曲・ピアノのほか、フリッツ・ライナーに指揮を学び、最優等を得て卒業。
その後1935年に、ローマのアメリカ学士院より奨学金を得て、翌年よりイタリア留学を果たす。同地で『弦楽四重奏曲 第1番 ロ短調』を作曲。この第2楽章が後に弦楽合奏用に編曲され、『弦楽のためのアダージョ』として広く親しまれるに至った。
【YouTube】バーバー 弦楽のためのアダージョ
映画『プラトーン』、『エレファントマン』でも使用
1986年公開のアメリカ映画『プラトーン(Platoon)』、1980年『エレファント・マン(The Elephant Man)』など、いくつかの映画のBGMとして使用された他、アメリカのテレビドラマ『ER緊急救命室第Xシリーズ』、韓国ドラマ『冬のソナタ』、ジョン・F・ケネディの葬儀など、様々なメディアや式典等で頻繁に演奏されている。
お葬式・葬儀のBGMにも
アメリカでは、『弦楽のためのアダージョ』がジョン・F・ケネディの葬儀で使用され有名になった。以後、訃報や葬式の定番曲になってしまったが、バーバー自身は「葬式のために作った曲ではない」と不満を述べているという。 日本では昭和天皇の崩御の際にNHK交響楽団の演奏が放映された。
アダージョ関連の有名な曲は?
ちなみに、「アダージョ(Adagio)」とは、速度記号の一つで「ゆるやかに(演奏せよ)」の意。アダージョの有名な曲としては、1986年に大ヒットしたフレンチポップス『T'en Va Pas(哀しみのアダージョ/悲しみのアダージョ)』、18世紀イタリアの作曲家アルビノーニによる『アルビノーニのアダージョ』などがある。
関連ページ
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