今年の牡丹はよい牡丹 歌詞の意味

お耳をからげて スッポンポン♪ 誰かさんの後ろにヘビがいる♪

『今年の牡丹はよい牡丹(ことしのぼたんは よいぼたん)』は、牡丹の花を題材とした日本のわらべうた・遊び歌

わらべうた『あぶくたった 煮え立った』のように、鬼と会話する劇場型の鬼ごっこ遊びの歌となっている。

牡丹 ボタン

このページでは、歌後半の「鬼との会話」パートを中心にまとめてみたい。

前半の歌詞の意味については、原曲である『れんげ摘もか(つもか)』で詳しく解説しているが、このページでも簡単にまとめておく。

関連ページ:れんげ摘もか(つもか) 歌詞の意味 わらべうた

写真:牡丹(篠山市の観音寺にて/出典:Wikipedia)

【YouTube】 ことしのぼたん わらべうた

前半の歌詞の一例

今年の牡丹は よい牡丹
お耳をからげて スッポンポン
もひとつおまけに スッポンポン

歌詞の意味は?

「お耳をからげて」の意味については、原曲である『れんげ摘もか(つもか)』でも解説しているが、摘んだ花(元はレンゲソウ)の茎を輪っかにして耳にかけて遊ぶ様子か、花輪を体(身々)に巻いて遊ぶ様子か、いずれかを表している可能性があるようだ。

なお、「からげる」には、ひもで縛る、すそをまくり上げるなどの意味がある。

「スッポンポン」の意味については、もちろん「素っ裸」ではなく、摘んだ花を体に巻いて小鼓(こつづみ)のポンポンという音に合わせて踊る様子に由来しているとの説があるようだ。「たんぽぽ」を語源とする説明もある。

詳しくは、こちらのページ『れんげ摘もか(つもか) 歌詞の意味 わらべうた』の解説を適宜参照されたい。

後半の鬼ごっこパートについて

「スッポンポン♪」の歌を歌い終わった後は、鬼と予め決められた会話をするお芝居が始まり、それが終わると同時に鬼ごっこ遊びへとつながっていく。

「歌→会話→鬼ごっこ」という流れは、わらべうた『あぶくたった 煮え立った』でも同じような構成となっており、昔の鬼ごっこ遊びの一つのスタイルだったことが伺える。

『今年の牡丹はよい牡丹』で繰り広げられる鬼との会話は、まず鬼(役の子)が子供たちに「一緒に遊ぼう(輪に入れて)」と頼み、一緒に遊んだ後で、鬼が「もう帰る」と言って最後に会話をするという流れになる。

ちなみに、歌詞に「しっぽ」が出てくるのは、この遊びの「鬼」が元は「キツネ」だった頃の名残だそうだ。

鬼との会話 前半の一例

オニ  入れて
コドモ いや
オニ  どうして?
コドモ しっぽがあるから
オニ  しっぽ切ってくるからいれて
コドモ 血がでるからいや
オニ  海で洗って来るからいれて
コドモ 海坊主が出るからいや
オニ  川で洗って来るからいれて
コドモ 川坊主が出るからいや
オニ  そんなら今度ウチの前を通ったとき 天秤棒でひっぱたくぞ
コドモ じゃあ入れてあげる

<解説>

ここで『今年の牡丹はよい牡丹』の歌を一緒に歌い、後半へ続く

鬼との会話 後半の一例

オニ  私(僕)帰る
コドモ どうして
オニ  晩ごはんだから
コドモ おかずはなあに?
オニ  カエルとナメクジ
コドモ 生きてるの、死んでるの?
オニ  生きてるの
コドモ じゃあさようなら
コドモ だれかさんの後ろに蛇がいる
オニ  私(僕)?
コドモ ちがうよ
オニ  ああよかった
コドモ だれかさんの後ろに蛇がいる
オニ  私(僕)?
コドモ ちがうよ
オニ  ああよかった
コドモ だれかさんの後ろに蛇がいる
オニ  私(僕)?
コドモ そう!

<解説>

ここから鬼ごっこが始まる。ごはんがカエルやナメクジなのは、この「鬼」が元の遊びでは「キツネ」だった頃の名残のようだ。

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