いい日旅立ち 山口百恵
国内旅行キャンペーンソング/スポンサー社名が曲名に?
『いい日旅立ち』は、作詞・作曲:谷村新司、山口百恵の歌唱により1978年11月にリリースされた日本の歌謡曲。
旧国鉄の国内旅行キャンペーン「DISCOVER JAPAN」(ディスカバー・ジャパン)向けに書き下ろされた。
キャンペーンでは、国鉄の指定券発券システムを使用していた「日本旅行」と、国鉄の車両を製造していた日立製作所が、それぞれスポンサーとなった。
『いい日旅立ち』の曲名には、スポンサーである「日本旅行」の社名から「日」と「旅」が、「日立製作所」からは「日」と「立」が、それぞれ曲名の漢字に組み込まれているという。ウソのような本当の話だ。
JR西日本が2003年にリメイク
『いい日旅立ち』は2003年、JR西日本の旅行誘致キャンペーン「DISCOVER WEST」(ディスカバー・ウェスト)テーマソング『いい日旅立ち・西へ』としてリメイクされた(下ジャケット写真)。
原曲では歌詞で「北の空へ向かい」などと北への旅路が描写されていたが、JR西日本によるキャンペーンということで、谷村新司自身の作詞により西日本や瀬戸内海をイメージした内容に歌詞が全面的に差し替えられた。
歌い手を務めたのは、女性シンガーソングライターの鬼束ちひろ(おにつか ちひろ/1980-)。山口百恵も「彼女の歌声はいい」と太鼓判を押したという。
山口百恵が歌った原曲の『いい日旅立ち』は変ロ短調だが、リメイク版『いい日旅立ち・西へ』ではキーが一つ下げられイ短調になっている。
このリメイク版は、JR西日本の東海道・山陽新幹線や山陽・九州新幹線の車内チャイムに使われている。
歌詞の違いは?
山口百恵版と鬼束ちひろ版の歌詞の違いについては、「サビ以外はほぼ完全に差し替え」という一言に尽きる。
オリジナルが残されているのは、サビの歌詞「ああ 日本のどこかに 私を待ってる人がいる」と「歌を道連れに」という部分のみ。
鬼束ちひろ版の歌詞の特徴を一つ上げるとすれば、瀬戸内海をイメージしたキーワードが織り込まれているという点。
遥かなしまなみ 錆色(さびいろ)の凪(なぎ)の海
セピアの雲は流れて どこへ行く<引用:『いい日旅立ち・西へ』一番の歌詞冒頭より>
この「しまなみ」とは、広島県尾道市から愛媛県今治市まで、向島や因島などの島々を通る「しまなみ海道」を念頭に置いた歌詞と推測される。正式名は「西瀬戸自動車道」。
「しまなみ海道」はサイクリングロードとして人気が高く、瀬戸内しまなみ海道サイクリング尾道大会やスタンプラリーなどのイベントも行われている。
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