えんやこら 意味

日本の民謡・童謡で使われる囃子ことば・掛け声

「えんやこら」は、日本の民謡や童謡で用いられる伝統的な囃子ことば・掛け声。「えんや」と「こら」が結びついた形。

派生形としては、「えんやこりゃ」、「えんやこらや」、「えんやこらせ」、「えんやこらさっさ」、「えんやこらまかせ」などがある。

えんやこら 民謡の囃子ことば・掛け声

また、「えんやらや」、「エンヤードット(トット)」の「えんや」も、「えんやこら」の「えんや」と語源・由来は同じと考えられる。

「えんや」の語源・由来については、こちらの「エンヤー えんや 意味・語源・由来」を参照されたい。

使われ方・意味合い

「えんやこら」の使われ方・意味合いとしては、三省堂 大辞林によれば、「多人数で力仕事をするときなど、息を合わせるための掛け声」と解説されている。

実際の民謡に登場する「えんやこら」を見ると、川や海など漁業に関連する力仕事の掛け声として使われているように感じられる。

「えんやこら」が使われている民謡・童謡をいくつか簡単に見てみよう。

北海盆歌 ほっかいぼんうた

ドリフ「8時だョ!全員集合」オープニングテーマの原曲として有名な北海道民謡『北海盆歌(ほっかいぼんうた)』では、次のような囃子ことばが使われている。

エンヤーコーラヤ ハァ ドッコイジャンジャン コーラヤ♪

「エンヤーコーラヤ」は「えんやこらや」と同じ。『北海盆歌』は、かつて炭鉱で栄えた三笠市幾春別(いくしゅんべつ)が発祥の地とされているので、炭鉱夫らによる採掘作業の掛け声に由来している可能性があるが、詳細は不明だ。

最上川舟歌

山形県民謡『最上川舟唄』(もがみがわふなうた)では、囃子ことばとして次のような「えんやこら」が歌われる。

サノ マッガショ エンヤコラマーガセー(マカセ)♪

「エンヤコラマーガセー」は「えんやこらまかせ」。「まかせ」は、『花笠音頭(花笠踊り)』の「ヤッショーマカショ♪」と同じく、歌の調子を整えるための意味のない囃子ことば。

ここでの「えんやこら」は、舟の漕ぎ手が力を入れて舟を漕ぐ際の掛け声に由来すると推測される。

桃太郎 ももたろう

1911年(明治44年)の文部省唱歌『桃太郎(ももたろう)』の歌詞では、「えんやこら」に関連して次のようなフレーズが登場する。

お伴の犬や 猿キジは 勇んで車を えんやらや

この「えんやらや」も「えんやこら」と同様に、宝が山のように積まれた重たい手押し車を、お供の犬・サル・キジが力を合わせて運んでいく際の描写に使われている。

「えんやらや」の「えんや」も、「えんやこら」の「えんや」も、由来・語源は同じと考えられる。

ちなみに「えんやらや」は、お座敷遊び歌『とらとら 虎々(虎拳)』の歌詞にも使われている。

ヨイトマケの唄

美輪明宏が作詞作曲した1966年の歌謡曲『ヨイトマケの唄』では、次のように「えんやこら」が印象的に用いられている。

父ちゃんの為ならエンヤコラ
母ちゃんの為ならエンヤコラ
もひとつおまけにエンヤコラ

<引用:美輪明宏『ヨイトマケの唄』より>

『ヨイトマケの唄』は日雇いの肉体労働者の歌であり、数人がかりの力作業で汗水流し働く様子が「えんやこら」という掛け声に込められている。

えんやこらの語源・由来は?

以上のとおり、「えんやこら」という囃子ことば・掛け声について簡単にまとめてみたが、その語源・由来を探るには、「えんやこら」の「えんや」の語源・由来について掘り下げる必要がある。

「えんや」の語源・由来については、こちらの「えんや えいや 意味・語源・由来」を参照されたい。

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桃太郎 ももたろう
お伴の犬や 猿キジは 勇んで車を えんやらや♪
とらとら 虎々(虎拳)
和藤内が えんやらやと 捕らえし獣は とらとーら とーらとら♪