抜刀隊(陸軍分列行進曲)
我は官軍 我敵は 天地容れざる朝敵ぞ
『陸軍分列行進曲』は、軍歌『抜刀隊』と『扶桑歌』を元に編曲された明治時代の行進曲。
陸軍軍楽隊の招聘教官として来日したフランス軍軍楽教官シャルル・ルルーによって作曲され、1886年に(明治19年)初演された。
大日本帝国陸軍の正式行進曲として使用され、現在も陸上自衛隊、そして抜刀隊ゆかりの警視庁を含む警察が使用している。
なお、抜刀隊とは、1877年に九州地方で西郷隆盛を盟主に勃発した西南戦争において、これを鎮圧するため結成された警視庁抜刀隊のこと。
【YouTube】陸軍分列行進曲
【YouTube】軍歌 抜刀隊_陸軍分列行進曲
歌詞:軍歌『抜刀隊』(一例)
我は官軍我(わが)敵は
天地容れざる朝敵ぞ
敵の大将たる者は
古今無双の英雄で
之に従う兵(つわもの)は
共に慓悍(ひょうかん)決死の士
鬼神に恥(はじ)ぬ勇あるも
天の許さぬ反逆を
起こしし者は昔より
栄えし例(ためし)あらざるぞ
敵の亡ぶる夫迄(それまで)は
進めや進め諸共に
玉散る剣(つるぎ)抜き連れて
死ぬる覚悟で進むべし
オペラ『カルメン』から影響?
『陸軍分列行進曲』のメロディについては、シャルル・ルルーと同じフランスの作曲家ジョルジュ・ビゼーによるオペラ『カルメン』からの影響が指摘されることがある。
比較的分かりやすいのが、第2幕のカンツォネッタ「アルカラの竜騎兵(Les Dragons d'Alcala)」。下の動画で聴いてみればすぐにそれと分かるだろう。
【YouTube】Les Dragons d'Alcala(アルカラの竜騎兵)
フランスで『カルメン』が初演されたのは1875年(明治8年)であり、フランス軍のシャルル・ルルーが来日したのは1884年(明治17年)なので、前者が後者に影響を与えた可能性は時系列的には十分に考えられる。
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