あざみの歌 歌詞誕生の舞台

山には山の愁いあり いとしき花よ 汝はあざみ

「山には山の愁いあり 海には海のかなしみや」が歌いだしの『あざみの歌』は、1949年にNHKラジオ歌謡で発表された日本の歌謡曲。

作曲は『さくら貝の歌』で知られる八洲秀章。作詞は『さよならはダンスのあとに』、『下町の太陽』などを手掛けた横井弘。

横井は戦後に転居した長野県下諏訪で、自然散策をしながら15編余りの詩をしたためた。最も気に入った一編が、八島ヶ原湿原で書かれた『あざみの歌』だったという。

【YouTube】あざみの歌 倍賞千恵子

歌詞

山には山の 愁いあり
海には海の 悲しみや
ましてこころの 花園に
咲きしあざみの花ならば

高嶺の百合の それよりも
秘めたる夢を ひとすじに
くれない燃ゆる その姿
あざみに深き わが想い

いとしき花よ 汝(な)はあざみ
こころの花よ 汝はあざみ
さだめの径は 涯てなくも
かおれよせめて わが胸に
ああ ああ

八島ヶ原湿原とは?

『あざみの歌』が作詞されたという八島ヶ原湿原(八島湿原/やしましつげん)とは、長野県の霧ヶ峰にある標高約1632mの高層湿原(下写真)。

霧ヶ峰には、八島ヶ原湿原、車山湿原、踊場湿原の3つの湿原があり、そのすべてが国の天然記念物に指定されている。

八島ヶ原湿原には、『あざみの歌』の歌碑が建立されている。

写真:別角度からみた八島ヶ原湿原(出典:Wikipedia)

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