あわて床屋 童謡
カニが店出し 床屋でござる チョッキン チョッキン チョッキンナ♪
『あわて床屋』は、作詞:北原白秋、作曲:山田耕筰により1923年に発表された日本の童謡。NHK「みんなのうた」でも放送された。
歌詞は、川辺に住むカニが春先に床屋を開店したというユーモラスな内容。カニは陸上で泡を吹くことがあるが、それが『あわて床屋』の歌詞では「シャポン(石鹸)」として表現されているのも面白い。
【YouTube】あわて床屋
歌詞 作詞:北原白秋
春は 早うから 川辺の葦(あし)に
カニが店出し 床屋でござる
チョッキン チョッキン チョッキンナ
小ガニぶつぶつ 石鹸(シャボン)をとかし
おやじ自慢で はさみを鳴らす
チョッキン チョッキン チョッキンナ
そこへ 兎(うさぎ)が お客にござる
どうぞ急いで 髪刈っておくれ
チョッキン チョッキン チョッキンナ
兎ァ 気がせく 蟹ァ あわてるし
早く早くと 客ァ つめこむし
チョッキン チョッキン チョッキンナ
じゃまなお耳は ぴょこぴょこするし
そこであわてて チョンと切り落とす
チョッキン チョッキン チョッキンナ
兎ァ おこるし 蟹ァ 恥ョ かくし
しかた なくなく 穴へと逃げる
チョッキン チョッキン チョッキンナ
しかた なくなく 穴へと逃げる
チョッキン チョッキン チョッキンナ
ウサギが耳を切り落とされる?!
この曲がネットなどで話題に出される機会があるとすれば、おそらく「耳を切り落とされてしまうウサギ」について少なからず触れられることだろう。歌の前半のコミカルな雰囲気が一転して、想像の仕方によってはゾッとするようなホラー的展開となってしまうのだから無理はない。
ただ、耳を根元からザックリといったリアルホラーな感じではなく、あくまでも耳の先っぽぐらいをチョンと、といった感じだと思われるが、それにしても痛々しい。
現代の人間社会でも、美容院や美容室、または散髪の際に、耳たぶを少し切り込まれてしまう事故は少なからず起きているが、北原白秋が『あわて床屋』を作詞した頃はどうだったのだろうか?もし作者の実体験に基づいた作品だったら大変興味深い。
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