Beat It 今夜はビート・イット 歌詞の意味・和訳

ウエストサイド物語の世界観を意識したミュージックビデオにも注目

『Beat It』(ビート・イット)は、マイケル・ジャクソンが1982年にリリースした世界的大ヒットアルバム「スリラー(Thriller)」5曲目に収録された楽曲。翌年(1983年)にシングルカットされた。邦題は『今夜はビート・イット』。

マイケル・ジャクソン THIS IS IT

ジャケット写真:マイケル・ジャクソン THIS IS IT

ギターソロは、クインシー・ジョーンズからの依頼で、エドワード・ヴァン・ヘイレン (Edward Van Halen)が担当。

レコーディングの最中、エディのソロギターによる音の迫力で、モニタースピーカーが火を噴いたという伝説も残されている。

歌詞は、不良少年グループ同士の抗争を扱ったブロードウェイミュージカル「ウエスト・サイド物語」の世界観を思わせる内容で、ミュージックビデオもそれを意識した演出がなされている。

【YouTube】 Michael Jackson - Beat It (Official Video)

歌詞の意味・和訳(意訳)

『Beat It』

作詞・作曲:マイケル・ジャクソン

プロデュース:クインシー・ジョーンズ

They told him, “Don’t you
Ever come around here
Don’t wanna see your face
You better disappear"

The fire’s in their eyes
And their words are really clear
So beat it, just beat it

奴らは言った「ここらをうろつくな
お前のツラは見たくねぇ 失せな」

敵意に燃えた目 はっきりと響く声
さあ逃げるんだ とにかく逃げろ

You better run, you better do
What you can
Don’t wanna see no blood
Don’t be a macho man

You wanna be tough
Better do what you can
So beat it, but you wanna be bad

走るんだ やれることをやれ
血なんか見たがるな
強がるな

しぶとく生きるんだ
やれることをやれ
さあ逃げるんだ
でもお前はカッコつけたがる

Just beat it, beat it
Beat it, beat it
No one wants to be defeated

Showin’ how funky
And strong is your fight
It doesn’t matter
Who’s wrong or right

Just beat it

とにかく逃げろ 逃げろ
誰だって負けたくない

お前がどれだけイカして
強いか見せたいのか

どうでもいいんだ
どっちが悪か正義かなんて
とにかく逃げろ

They’re out to get you
Better leave while you can
Don’t wanna be a boy
You wanna be a man

You wanna stay alive
Better do what you can
So beat it, just beat it

奴らはお前を追ってる
ここから離れろ できるだけの間
ガキじゃなく 大人になりたいなら

生きていたいなら
できることをやるんだ
さあ逃げろ とにかく逃げろ

You have to show them that
You’re really not scared
You’re playin’ with your life
This ain’t no truth or dare

They’ll kick you, then they’ll beat you
Then they’ll tell you it’s fair
So beat it, but you wanna be bad

ビビッてない事を示したいのか
お前は人生を遊んでる
これはゲームじゃないんだ

奴らはお前を蹴って 殴り倒す
これは公平だって奴らは言うだろう
だから逃げろ
でもお前はカッコつけたがる

Just beat it, beat it
Beat it, beat it
No one wants to be defeated

Showin’ how funky
And strong is your fight
It doesn’t matter
Who’s wrong or right

Just beat it, beat it...

とにかく逃げろ 逃げろ
誰だって負けたくない

お前がどれだけイカして
強いか見せたいのか

どうでもいいんだ
どっちが悪か正義かなんて

とにかく逃げるんだ

バック・トゥ・ザ・フューチャーとの関係も?

1989年のアメリカ映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」(Back to the Future Part II)では、マイケル・ジャクソン『Beat It』が意味を持った劇中曲として使われている。

具体的には、1985年から2015年の未来にタイムトラベルした主人公マーティが、80年代をテーマとしたレトロ喫茶「Cafe 80's」(カフェ・エイティーズ)に立ち寄るシーンで、80年代に活躍したマイケル・ジャクソンの『Beat It』が映像と共に流されている。

一体なぜ、このシーンで『Beat It』が選曲されたのだろうか?それは、歌詞の内容と映画のストーリーの関連性が重要なポイントとなっている。

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ジャケット写真: バック・トゥ・ザ・フューチャー Part 2 [Blu-ray]

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズでは、主人公マーティ・マクフライが、悪役ビフ・タネンから「腰抜け野郎」と挑発されて決闘やチキンレースを挑まれ、負けて人生が破滅してしまうというお決まりの筋書きがある。

あえて戦わなくていい場面で、不良の挑発に毎回乗せられてしまう主人公を見て、映画を見ている側としては、主人公に対して「挑発に乗るな!その場を離れるんだ!逃げろ!」と冷静で賢明な対応を強く願わずにはいられないだろう。

この「挑発に乗るな!その場を離れるんだ!逃げろ!」という思いは、まさにマイケル・ジャクソン『Beat It』の歌詞で描写されている内容と多くの部分で共通しており、それが映画の中で主人公への隠れたメッセージとして仕込まれていたのだ。

映画の中で『Beat It』が使われることに対して、DVDに収録されたコメンタリーでは、脚本家のボブ・ゲイルは次のように語っている。

マイケル・ジャクソンは第1作目の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の大ファンだったので、非常に協力的でした。快く、よく似た人物を登場させることと音楽を使うことを許可してくれました。

映画の中では、曲だけではなく、マイケル・ジャクソンのそっくりさんが店内のビデオモニターの中にウェイターとして登場している。

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