Don't Look Back in Anger 歌詞の意味・和訳
ノエル・ギャラガーの作詞・作曲によるオアシスの代表曲
『Don't Look Back in Anger』(ドント・ルック・バック・イン・アンガー)は、イギリスのロックバンド、オアシス(Oasis)が1995年にアルバムで発表した楽曲。
翌年にシングル・カットされ、全英シングルチャートで1位を獲得した。作詞・作曲、リード・ボーカルともにノエル・ギャラガー(Noel Gallagher)。
曲名の意味は、「怒りを抱(いだ)いて過去を振り返るな」、または「過去を振り返って怒りを抱くな」。歌詞の意味や由来については後述する。
2017年5月にマンチェスターで発生した自爆テロの際には、参列者により『Don't Look Back in Anger』が即興で合唱された。マンチェスターはオアシス結成の地。
ジャケット写真:オアシス シングル集「TIME FLIES... 1994-2009」
【YouTube】 Oasis - Don't Look Back In Anger
歌詞の意味・和訳(意訳)
『Don't Look Back in Anger』
作詞・作曲:ノエル・ギャラガー(Noel Gallagher)
Slip inside the eye of your mind
Don’t you know you might find
A better place to play?
心の瞳の内側へ滑り込むんだ
知らないのかい?
もっといい遊び場が
見つかるかもしれないぜ?
You said that you’d never been
But all the things that you’ve seen
They slowly fade away
そんな場所は知らないって
お前は言ったけど
お前が見てきたものは全部
ゆっくりと消えていくんだよ
So I’ll start a revolution from my bed
Cause you said the brains I had went to my head
Step outside, summertime’s in bloom
俺はベッドから革命を始めてやる
俺がうぬぼれてるなんて
お前が言ったからだ
外に出ようぜ 夏真っ盛りだ
Stand up beside the fireplace
Take that look from off your face
You ain’t ever gonna
Burn my heart out
暖炉のそばから立ち上がるんだ
そんな顔してないで
それじゃ俺のハートは燃え上がらない
And so, Sally can wait
She knows it’s too late
As we’re walking on by
サリーは待ってくれる
並んで歩くには
もう遅すぎだと知りながら
Her soul slides away
But don’t look back in anger
I heard you say
彼女の気持ちは離れていく
でも過ぎたことに怒らないで
そう聞こえたんだ
Take me to the place where you go
Where nobody knows if it’s night or day
But please don’t put your life in the hands
Of a Rock 'n’ Roll band
Who’ll throw it all away
連れてってくれ お前の行きたい場所へ
誰も知らない場所 夜でも昼でも
だが頼むから ロックンロールバンドなんかに
お前の人生を委ねないでくれ
全てを投げ出すような奴らだから
I’m gonna start a revolution from my bed
Cause you said the brains I had went to my head
Step outside, 'cause summertime’s in bloom
俺はベッドから革命を始めてやる
俺がうぬぼれてるなんて
お前が言ったからだ
外に出ようぜ 夏真っ盛りだ
Stand up beside the fireplace
Take that look from off your face
Cause you ain’t ever gonna
Burn my heart out
暖炉のそばから立ち上がるんだ
そんな顔してないで
それじゃ俺のハートは燃え上がらない
And so, Sally can wait
She knows it’s too late
As she’s walking on by
サリーは待ってくれる
並んで歩くには
もう遅すぎだと知りながら
My soul slides away
But don’t look back in anger
I heard you say
彼女の気持ちは離れていく
でも過ぎたことに怒らないで
そう聞こえたんだ
So, Sally can wait
She knows it’s too late
As we’re walking on by
サリーは待ってくれる
並んで歩くには
もう遅すぎだと知りながら
Her soul slides away
But don’t look back in anger
I heard you say
彼女の気持ちは離れていく
でも過ぎたことに怒らないで
そう聞こえたんだ
So, Sally can wait
She knows it’s too late
As she’s walking on by
サリーは待ってくれる
並んで歩くには
もう遅すぎだと知りながら
My soul slides away
But don’t look back in anger
Don’t look back in anger
I heard you say
At least not today
彼女の気持ちは離れていく
でも過ぎたことに怒らないで
そう聞こえたんだ
せめて今日だけは
サリーって誰?
歌詞に登場する女性名「サリー(Sally)」とは一体誰なのか?具体的なモデルはいるのか?
この「サリー」については、ウィキペディア英語版でノエル・ギャラガー本人のコメント(2007年の雑誌インタビュー)が紹介されていたので、該当箇所を次のとおり抜粋して和訳してみたい。
We were in Paris playing with the Verve, and I had the chords for that song and started writing it.
At the sound check, I was strumming away on the acoustic guitar,and rkid (Liam Gallagher) said,
'What's that you're singin'?'
パリでのライブ中に、この曲のコードを書き始めていた。サウンドチェックでアコースティックギターをかき鳴らしてたら、弟のリアム・ギャラガーが「何歌ってんの?」って言ったんだ。
I wasn't singing anyway, I was just making it up.
And our kid said,
'Are you singing, 'So Sally can wait'?'
俺はちゃんと歌ってなかったんだ。まだ作曲中だったから。
そしたらあいつがこう言ったんだ。
「"So Sally can wait"って歌ってる?」
And I was like—that's genius!
So I started singing, 'So Sally can wait.'
I remember going back to the dressing room and writing it out. It all came really quickly after that."
そりゃ最高だ!って感じだったね。
それから"So Sally can wait"って歌い出したんだ。
楽屋に戻って、曲を書き上げたよ。あの後本当にすぐにね。
サリーはリアムの聞き間違い
上述のインタビュー記事が正しいとすれば、『Don't Look Back in Anger』の歌詞における「サリー(Sally)」とは、リアム・ギャラガーの聞き間違いから生まれた女性名ということになる。
人名だけではなく、「So Sally can wait」という一連のフレーズ全体が偶然生まれた歌詞ということになる。
ジョン・レノンへのオマージュ
「ベッドから革命を始める」という歌詞は、ビートルズが事実上解散する前年の1969年に、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが行った平和活動パフォーマンス「ベッド・イン(Bed In)」が元ネタとなっている。
写真は、ジョン・レノンとオノ・ヨーコによる社会的パフォーマンス「ベッド・イン」の様子(1969年6月1日/出典:Wikipedia)。
ベッド・インは、ホテルの一室に記者を招き入れて、平和について語り合うという穏便な内容のものだったため、もっと過激な内容を予想していた記者らは肩透かしを喰らう恰好となった。
イントロはイマジン?
ウィキペディア英語版の解説によれば、『Don't Look Back in Anger』イントロのピアノは、ジョン・レノンが1971年に発表した『イマジン Imagine』のそれに似ているという。該当部分の解説を引用すると次のとおり。
The piano in the introduction of the song strongly resembles Lennon's "Imagine"
この解説は、海外の音楽評論家が出版した書籍からの引用として掲載されていた。本当に似ているかどうかの検証は別途必要だが、先述のベッド・インと同じく、ジョン・レノンへのオマージュが込められている可能性はありそうだ。
暖炉のそばに立たされた?
歌詞で「暖炉のそばから立ち上がるんだ そんな顔してないで」というくだりがあるが、これはノエル・ギャラガーが幼い頃に体験したエピソードが元になっているという。該当する歌詞を抜粋すると次のとおり。
Stand up beside the fireplace
Take that look from off your face
ノエル・ギャラガーは幼い頃、よく母親に暖炉の側に立たされて写真を撮られていたが、彼は常につまらなさそうな表情をしていたという。
母親から「その顔をやめなさい」と言われていたようで、そのエピソードが歌詞に織り込まれている。
この過去の体験がわざわざ『Don't Look Back in Anger』の歌詞に組み込まれたということは、彼にとって思い出すと少なからず不快感を覚えるエピソードだったのかもしれない。
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