リング・ア・リング・オ・ローゼズ
Ring a Ring o' Roses
ナーサリーライム/本当は怖い?! バラの輪っか ポケットの花束
『Ring a Ring o' Roses リング・ア・リング・オ・ローゼズ』は18世紀頃のイギリスで歌い始められたとされる古い遊び歌・ナーサリーライム。カタカナ表記では「リンガ・リンゴ・ローゼズ」とも。
マイルズ・ビルケット・フォスター画:Ring a Ring a Roses(1899)
代表的なイギリス版の歌詞は次のとおり。子供たちが手をつなぎ輪になってくるくると回りながら歌う。なお曲名は、「Ringa Ringa Roses」、「Ring A Ring Of Roses」などの表記も見られる。
【YouTube】Ringa Ringa Roses with Lyrics
【YouTube】Ring A Ring Of Roses
歌詞の意味・和訳
Ring-a-ring o' roses,
A pocket full of posies,
A-tishoo! A-tishoo!
We all fall down.
バラの輪っか
ポケット一杯の花束
ハクション ハクション
みんな倒れた
アメリカ版の歌詞
アメリカでは、『Ring around a roses』や『Ring Around the Rosie (Rosy)』などのタイトルで、イギリス版とは歌詞も一部異なっている。アメリカ版の一般的な歌詞は次のとおり。
Ring-a-round the rosie,
A pocket full of posies,
Ashes! Ashes!
We all fall down.
曲の由来・歴史的背景は?
『Ring a Ring o' Roses』の歴史的背景・曲の由来や起源については、1665年のロンドンで大流行したペスト、いわゆる「Great Plague of London」が言及されることが多いようだ。
病気が流行したわずか数年の間で、当時のロンドンにおける全人口の15%にあたる10万人が死亡したとされている。
ペスト菌が全身にまわり敗血症を起こすと、皮膚のあちこちに出血斑ができる。『Ring a Ring o' Roses』の歌詞に対応させて解釈するとすれば、初期の赤い出血斑が「バラ」、「花束」は薬草の束、「ハックション」はペストが肺に回った末期患者の咳に該当する。
そして歌詞の最後では、「We all fall down」でみんな倒れて亡くなってしまうという恐ろしい疫病の病状が描写されているという。
日本の古い童謡・わらべうたなどにも、『かごめかごめ』や『とおりゃんせ』などのように、解釈によってはとても怖い意味合いを持つ古い遊び歌があるが、もしかしたら『Ring a Ring o' Roses』も、日本の童謡に引けを取らないイギリス版の「怖い童謡」の代表格と言えるのかもしれない。