2014 ニューイヤーコンサート 曲目解説・指揮者
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
開催日:2014年1月1日
会場:ウィーン楽友協会 黄金ホール
指揮:ダニエル・バレンボイム(2009年以来2度目)
特記:2014年はリヒャルト・シュトラウス生誕150年
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曲目一覧(演奏順)
- 『美しきエレーヌ』によるカドリーユ
- ヨハン・シュトラウス2世の弟、エドゥアルト・シュトラウス作曲。カドリーユとは、4組の男女のカップルがスクエア(四角)になって踊る伝統的なダンス音楽。2010年のニューイヤーコンサートでも演奏された。
- ワルツ『平和の棕櫚』
- ヨーゼフ・シュトラウス作曲『Friedenspalmen』Op. 207。棕櫚(しゅろ)はヤシ科植物(広義)。西洋絵画ではシュロやナツメヤシなどは「勝利」および「殉教」を象徴する図像として描かれる。1866年11月初演。
- カロリーネ・ギャロップ
- ヨハン・シュトラウス1世作曲。神聖ローマ皇帝フランツ1世の4人目の妃である皇后カロリーネ・アルグステに献呈された。1827年11月初演。
- エジプト行進曲
- ヨハン・シュトラウス2世作曲。1869年にロシアのサンクトペテルブルク市パヴロフスクで初演された際には、ロシアの少数民族の名前から「チェルケス行進曲」と名付けられたが、1869年11月にエジプトでスエズ運河が開通すると現在の曲名で出版された。
- ワルツ『もろびと手をとり』
- ヨハン・シュトラウス2世作曲『Seid Umschlungen Millionen』Op. 443。曲名は、ドイツの詩人シラーの詩「自由賛歌 Ode An die Freiheit」の一節から。このシラーの詩はベートーヴェン交響曲第9番第4楽章「歓喜の歌」の原詩としても有名。
- ポルカ『恋と踊りに熱中して』
- ヨハン・シュトラウス2世作曲『Stürmisch in Lieb und Tanz』Op. 393。1881年初演。オペレッタ『女王のレースのハンカチーフ』の旋律が転用されている。
- 喜歌劇『くるまば草』序曲
- ヨハン・シュトラウス2世作曲『Ouvertüre zur Operette "Waldmeister"』。1895年12月初演。2007年のニューイヤーコンサートでも演奏された。くるまば草とは、ヨーロッパ、アジア、北海道など広く分布するアカネ科クルマバソウ属の多年草。ドイツでは飲み物などの香り付けに使われる。
- クリップ・クラップ・ギャロップ
- ヨハン・シュトラウス2世作曲『Klipp-Klapp Galopp』Op. 466。1896年2月初演。「クリップ‐クラップ」は水車が粉を挽く擬音で、主旋律は少年時代に5 分で作曲したメロディだそうだ。
- ウィーンの森の物語
- ヨハン・シュトラウス2世作曲『Geschichten aus dem Wienerwald』Op. 325。1868年6月に初演されたレントラー風の演奏会用ワルツ。
- ポルカ・フランセーズ『大好きな人』
- オーストリア出身のバイオリニスト、ヨーゼフ・ヘルメスベルガー2世(Joseph Hellmesberger, Jr./1855-1907)作曲『Vielliebchen』Op. 1。
- ポルカ・シュネル『花束』
- ヨーゼフ・シュトラウス作曲『Bouquet』Op. 188。1864年12月初演。
- 歌劇『カプリッチョ』より 間奏曲『月光の音楽』
- リヒャルト・シュトラウス作曲『Mondscheinmusik』。リヒャルト・シュトラウスによる最後のオペラ『カプリッチョ』より。1942年10月初演。
- ワルツ『ロマンティックな人々』
- ヨーゼフ・ランナー作曲『Die Romantiker』Op.167。1840年8月初演。『シェーンブルンの人びと』に並ぶヨーゼフ・ランナーの代表曲。
- ポルカ・マズルカ『からかい』
- ヨーゼフ・シュトラウス作曲『Neckerei』Op.262。1869年2月初演。
- ポルカ・シュネル『いたずら』
- ヨーゼフ・シュトラウス作曲『Schabernack』Op.98。1861年2月初演。
- バレエ『シルヴィア』より 『ピッツィカート』
- フランス・バレエ音楽の父と称賛されるレオ・ドリーブによるバレエ音楽『シルヴィア』より。パリ・オペラ座で1876年6月に初演された。
- ワルツ『ディナミーデン』
- ヨーゼフ・シュトラウス作曲『Dynamiden』Op.173。ディナミーデンとは「分子や原子などが引き合 う力」を指す造語。1865年1月初演。
- ポルカ・シュネル『憂いもなく』
- ヨーゼフ・シュトラウス作曲『Ohne Sorgen!』Op.271。ヨーゼフは体調が優れず、心配の種は尽きなかったが、希望をこめて楽天的な題名としたようだ。
アンコール曲目
- ポルカ・シュネル『カリエール』
- ヨーゼフ・シュトラウス作曲『Carrière』Op. 200。1866年初演。カリエールとはギャロップ(襲歩)よりも速い走り方を意味する。ヨーゼフ・シュトラウスは競馬好きだったという。
- 美しく青きドナウ
- ヨハン・シュトラウス2世作曲のワルツ『An der schönen blauen Donau』Op. 314。ニューイヤーコンサートの定番アンコール曲。
- ラデツキー行進曲
- ニューイヤーコンサートのトリを飾るヨハン・シュトラウス1世『Radetzky March』。観客の手拍子が恒例行事。
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