歌の翼に 歌詞の意味・和訳

メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn/1809-1847)

『歌の翼に』(Auf Flügeln des Gesanges)は、ドイツロマン派の作曲家メンデルスゾーンによる1836年作曲の歌曲集「六つの歌」作品34の第2曲。

歌詞は、ドイツの詩人ハインリッヒ・ハイネによる詩集『歌の本』から採られたもの。ハイネの同じ詩に対しては、イタリアの作曲家トスティも曲をつけているが、こちらの方はあまり知られていない。

メンデルスゾーンは、裕福なユダヤ人家庭の生まれ。モーツァルトシューベルトと同じく比較的短い生涯だったが、この『歌の翼に』をはじめとして数々の美しい旋律を残している。

写真:メンデルスゾーンが生まれたドイツ・ハンブルクの街並み

【YouTube】メンデルスゾーン 歌の翼に

歌詞の意味・日本語訳(意訳)

Auf Flügeln des Gesanges,
Herzliebchen, trag ich dich fort,
Fort nach den Fluren des Ganges,
Dort weiß ich den schönsten Ort.

歌の翼に愛しい君を乗せて
ガンジスの野辺へ行こう
僕は知ってる
そこは最も美しい場所

Dort liegt ein rotblühender Garten
Im stillen Mondenschein;
Die Lotosblumen erwarten
Ihr trautes Schwesterlein.

そこは赤い花が咲き誇る庭
静寂の中 月は輝き
スイレンの花 愛する乙女を待つ

Die Veilchen kichern und kosen,
Und schaun nach den Sternen empor;
Heimlich erzählen die Rosen
Sich duftende Märchen ins Ohr.

スミレは微笑み 星空を見上げ
バラが耳元でささやく 芳しきおとぎ話

Es hüpfen herbei und lauschen
Die frommen, klugen Gazelln;
Und in der Ferne rauschen
Des heiligen Stromes Welln.

賢くおとなしい小鹿
走り寄り 耳をそばだてる
遠くに聞こえる 聖なる川の流れ

Dort wollen wir niedersinken
Unter dem Palmenbaum,
Und Liebe und Ruhe trinken,
Und träumen seligen Traum.

僕等は椰子の木の元に降り立ち
愛と平穏を満喫し
幸福に満ちた夢を見よう

関連ページ

メンデルスゾーンの有名な曲・代表曲
『歌の翼に』、『結婚行進曲』、『バイオリン協奏曲(メンコン)』など、ドイツの作曲家フェリックス・メンデルスゾーンの有名な曲・代表曲の解説と視聴
ハイネ詩集『歌の本』とドイツ歌曲
メンデルスゾーンをはじめ、シューベルトやロベルト・シューマンなどもハイネの詩集『歌の本』に作曲した歌曲を発表している。
ドイツ歌曲(リート)有名な曲 歌詞の意味
『野ばら』、『ローレライ』、『歌の翼に』など、19世紀ロマン派ドイツ歌曲を中心とした定番の作品解説