スメタナ『わが故郷より』
かえるの合唱のメロディとチェコのフォークダンス
『わが故郷より』(Z domoviny / From my homeland)は、チェコの作曲家ベドルジハ・スメタナが1880年頃に作曲したヴァイオリンとピアノのための2曲の室内楽曲。
『モルダウ』で有名な連作交響詩「我が祖国」は、この『わが故郷より』の1年前に作曲が完了している(初演は数年後)。
なお、「我が祖国」および『わが故郷より』のいずれも、感染症によりスメタナが両耳の聴覚を失った以降に作曲されている。
写真:チェコの世界遺産 チェスキー・クルムロフ歴史地区(photo: Adam Polselli)
かえるのうたが きこえてくる?
スメタナ『わが故郷より』については、日本の童謡『かえるの合唱』との関連で言及されることがある。
その第2曲の一部のメロディが、「かえるのうたが きこえてくるよ♪」のメロディによく似ているという指摘があるようだ。まずは下の動画リンクから聴いてみていただきたい。
【YouTube】Felice Cusano -Smetana "From my homeland" No.2
『わが故郷より』の曲名どおり、同曲のメロディはスメタナの故郷チェコと何らかの関係にあると考えられる。『かえるの合唱』に似た部分のメロディについては、その明るい曲調やテンポなどから、おそらくチェコの伝統的なフォークダンス・民族舞踊に関連しているものと思われるが、詳細は不明だ。
バッハやチャイコフスキーも
なお、『かえるの合唱』に似たメロディが登場するクラシック音楽としては、スメタナ『わが故郷より』以外にも、バッハやチャイコフスキーの作品中にも存在する。
『かえるの合唱』は「ドイツ民謡」と紹介されることが多いが、やはり同曲のルーツはヨーロッパ、特に東ヨーロッパ寄りの地域にありそうな雰囲気だ。
他の類似作品については、日本の童謡『かえるの合唱』解説ページを参照されたい。
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