ラ・フォリア La Folia

コレルリ(Arcangelo Corelli/1653-1713)

『ラ・フォリア La Folia』は、イタリアの作曲家コレッリ(コレルリ/Arcangelo Corelli/1653-1713)が1700年に発表したヴァイオリン・ソナタ(作品5/全12曲)の一曲。バイオリン(ヴァイオリン)初学者向けの定番曲としても知られる。

バロック音楽の形式としては、サラバンド、シャコンヌ、パッサカリア、アルマンドなどが知られているが、この「フォリア(Folia)」もそバロック期の音楽形式の一つで、スペインやポルトガルが位置するイベリア半島で16世紀前後に生まれた舞曲である。

【YouTube】コレッリ 『ラ・フォリアLa Folia』

【YouTube】Milstein Plays Corelli's La Folia Variations

フォリアの意味は?

「フォリア」はもともと「狂気」、「常軌を逸した」などの意味合いを持ち、中世のイベリア半島ではカーニバルや季節の節目で踊るダンスの一つとして広まっていたという。ランダムハウス英和大辞典によれば、女装した男性が仮面をつけた少年を担ぎ、タンバリンや歌に合わせてアップテンポで熱狂的に踊ったとされている。

それが17世紀に入ると、スローテンポな舞曲として洗練された音楽形式に生まれ変わり、一定した低音の旋律を伴った重厚な舞曲として定着し、イタリアをはじめとするヨーロッパ諸国の音楽家たちの間で大流行したそうだ。

他の作曲家のフォリアも

コレッリ(コレルリ)以外にも、ヴィヴァルディ、ヘンデル『サラバンド』、J.S.バッハ『農民カンタータ』、フランツ・リスト『スペイン狂詩曲』など、フォリアの音楽形式を取り入れた作曲家や、影響を受けた(似た形式の)楽曲は多数存在する。

セルゲイ・ラフマニノフもフォリアを題材にした変奏曲を作曲しているが、そのタイトルは『コレッリの主題による変奏曲 Variations on a theme by Corell』とされ、フォリアとコレッリ(コレルリ)が強く結び付けられた形の題名となっている。

なお、コレッリ(コレルリ)の他の有名な作品としては、『合奏協奏曲集』(作品6/全12曲)の第8番『クリスマス協奏曲』が特に広く知られれている。

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