クリスマス・オラトリオ
J. S. バッハ/The Christmas Oratorio
『クリスマス・オラトリオ The Christmas Oratorio』は、J. S. バッハが作曲したオラトリオ(聖譚曲)。全6部64曲から成る。1734年作曲。
クリスマスから顕現節(1月6日)までの日曜祝日に1部ずつ分けて演奏される様に作曲されているが、現代のコンサートでは休憩をはさみつつ全64曲が2時間半ほどで同日に披露される。
1734年に『クリスマス・オラトリオ』が初演された際、バッハはライプツィヒの聖ニコライ教会(上写真)と聖トーマス教会を午前と午後で往復するように演奏したという。
聖トーマス教会はバッハとゆかりの深い教会で、『マタイ受難曲』が初演されたほか、バッハ自身の墓も同教会内に収められている。
オラトリオって何? オペラとの違いは?
『クリスマス・オラトリオ』の「オラトリオ oratorio」とは、17世紀イタリアで始まったバロック音楽を代表する楽曲形式のひとつ。
キリスト教の聖書などから取った台詞が多用され、叙事的でストーリー性のある歌詞が特徴。
管弦楽・オーケストラの演奏と声楽(独唱・合唱)があり、オペラとも類似するが、オラトリオではオペラのような「演技・演劇」はなく、衣装や舞台(大道具)は使われない。
有名なオラトリオ作品としては、ハレルヤ・コーラスで知られるヘンデル作曲『メサイア』や、ハイドン作曲『天地創造』・『四季』などがある。
なお、バッハ『マタイ受難曲』もオラトリオの一種である。