トンタッタ族(ワンピース)と
フィンランドの妖精トントゥ
北欧のクリスマス関連トピックス
「週刊少年ジャンプ」(集英社)連載中の漫画『ONE PIECE』(ワンピース)ドレス・ローザ編にて、ドフラミンゴ率いる「ドンキホーテファミリー」打倒を目指すトンタッタ王国の小人たちトンタッタ族。
このトンタッタ族と、クリスマスにも関連する北欧の妖精たちとの関係性・類似性について、簡単にまとめてみたい。「北欧の妖精」と言っても様々存在するが、特にトンタッタ族と関連性が深いと思われるキャラクターとして、フィンランドの妖精・小人「トントゥ」に注目して両者を比較していきたい。
名前の類似性について
見ての通り、「トンタッタ族」とフィンランドの妖精「トントゥ」の名称は、最初の2文字「トン」が完全に前方一致しており、そのあとに続く文字も同じタ行で語感が類似している。
そもそも『ONE PIECE』(ワンピース)の作者である尾田栄一郎氏は、自身の作品に登場するキャラクターの元ネタは、分かりやすい実在の人物や現実世界の事象から起案することが少なくない。
おそらくこの「トンタッタ族」とフィンランドの妖精「トントゥ」についても、分かりやすい元ネタとして、あえて名前も似せる形でキャラクターに採用したと思われる。
見かけによらず力が強い点について
『ONE PIECE』(ワンピース)の作品中で描かれるトンタッタ族は、軽く地面を叩いただけで亀裂が入って周りの建物が揺れたり、身長の何倍もの荷物を運んだりできるなど、見かけの小ささとは逆に力が強いキャラクターとして描写されている。
この点、フィンランドの妖精「トントゥ」をはじめとする北欧の妖精も、見た目は小柄だが、普通の人間よりも力が強い存在として信仰されており、この「力が強い」という点も、両者の類似性を決定づける要素の一つと言える。
変な事が起きたら「妖精のしわざ」という点について
トンタッタ族が暮らすドレス・ローザでは、人間たちの持ち物や身の回りのものが突然なくなっても、それは「妖精のしわざ」として人間たちは納得して詮索しないことが国の常識となっている。
これと似た状況として、妖精「トントゥ」が信じられているフィンランドをはじめとする北欧諸国でも、何か奇妙なことが起きると、それは「妖精のしわざ」としてトントゥ達が引き合いに出されることがよくあるようだ。
これは生活に密着した北欧の妖精信仰がなせる業(わざ)と言えるが、こうした妖精との関係性が、漫画『ONE PIECE』(ワンピース)のトンタッタ族と人間たちとの関係性にもそのまま投影されているのは非常に興味深い点だ。
最後に
上述した点以外の類似性と言えば、「普段は人間たちに姿を見せない」、「いたずら好き」といった点などが挙げられるが、人を信じやすいお人よしの性格や外見、衣装などのキャラクター設定については、漫画『ONE PIECE』(ワンピース)固有の設定ということになるだろう。
スペイン風のドレス・ローザに住む北欧風の妖精たちトンタッタ族。尾田栄一郎氏による多国籍で自由な発想から生まれるオリジナルの世界観には、毎回ただただ脱帽するばかりだ。