わっしょい 掛け声 意味・語源・由来
お神輿を担ぐときの掛け声「わっしょい」はどんな意味?由来は?
日本の夏祭りなどでお神輿を担ぐときの掛け声はいくつかあるが、その代表格ともいえる「わっしょい!わっしょい!」の掛け声について、意味や由来・語源などを簡単にまとめてみた。
どの説もそれなりに説得力があり、興味深い解釈が示されているが、どれも決め手に欠ける印象は否めない。あくまでも参考程度にご覧いただくことをオススメしたい。
和して背負う説
重い神輿をみんなで一つになって「和して背負う」意味合いの「和背負え(わしょえ)」や「和し背負え(わししょえ)」が「わっしょい」に転じたとする説。
この点、「背負う」とは一般的に「背中に」人や物を乗せる動作であり、神輿を「肩で」担ぐこととの違和感がないわけではないが、「背負う」は「しょう」とも発音するので、何らかの関係があるのかもしれない。あったら面白い。
和一処(わいっしょ)説
みんなで一つになって力を合わせるという意味合いの「和一処(わいっしょ)」または「和一緒」が「わっしょい」に変化したとする説。
「和一処」という言葉を聞いたことがないが、過去に実際に使われていた言葉なのかどうかは不明。
和上同慶(わじょうどうけい)説
お神輿を担いで氏子地域を練り歩く「神輿渡御(みこしとぎょ)」では、多くの場合、神霊が宿った神体や依り代などが神輿に移される。
神輿渡御では、神社から神霊がお出ましになったことを知らせるため、「和上同慶(わじょうどうけい)」という掛け声が用いられたという。
この「和上同慶」の「和上(わじょう)」が「わっしょい」に転じたとする説があるようだ。
なお、そもそも本当に神輿渡御で「和上同慶」という掛け声が用いられていたのかについては不明。
ヘブライ語に由来?
「わっしょい」の語源はイスラエルのヘブライ語であるとする説も存在する。ヘブライ語で「主の救いが来る」を意味するフレーズの発音が「わっしょい」に近いという。
お神輿とイスラエルの関係は(こじつければ)他にもある。下の挿絵は、ヘブライ聖書におけるジェリコの戦い(エリコの戦い)を描いた15世紀の絵画(一部)。
イスラエルの民が契約の箱を担ぎ、ジェリコの壁(城塞)の周りを7日間廻り角笛を吹くと、巨大な壁の石垣は崩れ落ちたという。
契約の箱が担がれる姿は、まさに日本のお神輿をほうふつとさせる。これはこじつけにすぎないが、もし何らかの関係にあったとしたら非常に興味深い話だ。
関連ページ:黒人霊歌『ジェリコの戦い』
韓国語「ワッソ」が起源?
「わっしょい」は、韓国語で「来た」を意味する「ワッソ」に由来するという韓国起源説がまことしやかに流布しているようだ。
この説について、ウィキペディアでは次のように根拠のない俗説として一蹴している。
しかし、古代朝鮮語はほとんど解明されていない上に 、「ワッソ」という形態が使われはじめたのは16世紀以降である。
このため、古代朝鮮語の「ワッソ」が日本の「ワッショイ」の語源であるとする説には言語学的根拠が欠けており、学術的価値のない民間語源のひとつに過ぎない。
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