神輿甚句 どっこい神輿 歌詞の意味
どっこいどっこい!どっこいそりゃ!
『神輿甚句(みこしじんく)』とは、関東地方で行われる神社の祭礼で、お神輿を担ぐ際に歌われる甚句(じんく)のこと。
「どっこいどっこい、どっこいそりゃ」の掛け声を伴うことが多く、この担ぎ方は「どっこい神輿」、「どっこい担ぎ」などとも呼ばれる。
甚句とは、七・七・七・五の音数律に歌詞を当てはめて歌う日本の伝統的な歌謡。都々逸(どどいつ)と同じ。
YouTubeで神輿甚句を検索してみると、立川・ 諏訪神社の神輿渡御や、三鷹・八幡大神社の例大祭、神奈川県茅ヶ崎市「湘南どっこい神輿 浜降祭(はまおりさい)」、茨城県筑西市「下館祇園まつり」などで、「どっこいどっこい」の『神輿甚句』を確認できた。
神輿甚句の歌詞については、地元名物・名所の数え歌など、歌われる地域によってさまざまな歌詞が存在するが、このページでは、各地でよく歌われる神輿甚句の歌詞の一例をまとめてみたい。
写真:横浜開港祭 神輿パレード(出典:Webサイト「歴史の浪漫街道」)
【YouTube】 2015年 横浜開港祭 どっこい神輿
歌詞:坂田山心中
春に花咲く坂田山
秋は紅葉のその中で
聞いて下さい皆様よ
五郎さんと花子さんの物語
東京静岡その中で
いかにも遠い仲なれど
愛という字は筆で書き
恋という字は墨で書く
例え両親許さずも
二人の心があったなら
神や仏が許すもの
死んで花見が咲くじゃなし
写真:横浜開港祭 神輿パレード(出典:Webサイト「歴史の浪漫街道」)
坂田山心中事件について
上掲の神輿甚句で歌われているのは、1932年(昭和7年)5月に神奈川県大磯町の坂田山(八郎山)で起きた心中事件。
写真:坂田山(神奈川県大磯町/出典:Wikipedia)
東京・静岡出身の若い男女が永遠の愛を誓ったが、女性の両親に結婚を反対され二人は駆け落ちし、坂田山で心中した。
亡くなった女性の遺体はきれいだったという警察の発表により、東京日日新聞は「純潔の香高く 天国に結ぶ恋」の見出しで報道。この「天国に結ぶ恋」は坂田山心中を象徴する名文句となり、同名の映画や歌が製作され人気を博した。
歌詞:嫁入り
娘十七・八 嫁入りざかり
箪笥(たんす)・長持(ながもち)・鋏箱(はさみばこ)
これだけ持たせてやるからにゃ
二度と戻ると思うなよ
そこで娘の言うことにゃ
父(とと)さん母(かか)さん そりゃ無理よ
まして私は嫁じゃもの
縁があったら戻らぬが
西が曇れば雨とやら
東が曇れば風とやら
千石積んだる船でさえ
港出る時ゃまともでも
波風荒けりゃ又戻る
写真:横浜開港祭 神輿パレード(出典:Webサイト「歴史の浪漫街道」)
歌詞:神仏
好いた御方と 添えたい為に
一で相州一之宮
二で日光の東照宮さん
三で讃岐の金毘羅さん
四また信濃の善光寺
五つ出雲の大社
六つ村村鎮守様
七つ成田の御不動さん
八つ八幡の八幡さん
九つ高野の弘法さん
十で東京で名高い招魂社
これだけ心願かけたのに
好いた御方と添えぬなら
神や仏はいらぬもの
<注:歌う地域によって歌詞が大きく変わる>
歌詞:数え歌
さてはこの場の 皆様方よ
年の初めの新玉の 松を楽しむ正月や
二月に咲いたる梅の花
三月盛りの八重桜
四月上より下がり藤
五月の梅雨に咲く花は 菖蒲名代に杜若
六月牡丹に蝶が舞う
七月野原に咲く萩に
照らす八月たもと脱ぎ
心地よく見る九月菊
十月紅葉に鳴く鹿の
十一月の垂れ柳
小野道風じゃないけれど
蛙見つめりゃ切りがない
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