火祭りの踊り ファリャ『恋は魔術師』
元夫の亡霊に悩まされるジプシー娘カンデーラの物語
スペインの作曲家マヌエル・デ・ファリャが1915年頃に作曲した組曲『恋は魔術師 El amor brujo』。中でも『火祭りの踊り Danza ritual del fuego』が特に有名で、単独での演奏機会も多い。ピアノ編曲も有名。
1925年にはバレエ化され、パリのトリアノン・リリック劇場において初演された。バレエ化と同時に、楽曲にも最終的な改訂が加えられている。
トリルや装飾音などの音楽的特徴から、リムスキー・コルサコフ『熊蜂の飛行(くまんばちは飛ぶ)』と関連付けて言及されることがあるようだ。
英語では『Ritual Fire Dance』(リチュアル・ファイヤー・ダンス)と表記される。フィギュアスケート女子シングルの浅田真央選手が2016-2017シーズンにおけるプログラム曲に使用した際には、単に『リチュアル・ダンス』とされた。
【YouTube】ファリャ『火祭りの踊り』 指揮:バレンボイム
【YouTube】ピアノ版 演奏:Artur Rubinstein
【YouTube】バレエ版
あらすじ・ストーリーは?
『恋は魔術師』では、元夫の亡霊に悩まされるジプシー娘カンデーラ(Candela)が主人公として描かれる。友人のジプシー娘達に協力してもらい、除霊の儀式「火祭りの踊り」が執り行われた。
時は真夜中、焚き火を囲んで美しいジプシー娘達が舞いを捧げると、女好きだった元夫の亡霊がすぐに現れ、彼女達と一緒に踊り始めた。
娘達のダンスは徐々にスピードを増していき、勢いが最高潮に達すると、亡霊は焚き火の中に吸い込まれ、そのまま永遠に消滅してしまった。
元夫の亡霊から解放されたジプシー娘カンデーラは、新たな恋人カルメロと結ばれハッピーエンディング。
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