渚のアデリーヌ Ballade pour Adeline
クレイダーマンのデビューシングル/ピアノ曲
『渚のアデリーヌ』は、フランスのピアニスト、リチャード・クレイダーマン(Richard Clayderman/1953-)による1976年のデビューシングル。
『アヴェマリア(グノー)』を彷彿とさせる美しいサビのメロディで人気を博した。「アデリーヌ」とは、プロデューサーの娘の名前(詳細は後述)。
日本でも80年代を中心に人気の楽曲となり、小学校の給食の時間や掃除の時間、下校時間など、校内放送のBGMとして全国各地の小学校で使われた。
おそらく、現代の小学校でも『渚のアデリーヌ』が校内放送に使われている学校は少なくないと思われる。
【YouTube】渚のアデリーヌ Ballade pour Adeline
プロデューサーの娘に捧げられたバラード
『渚のアデリーヌ』の作曲者は、フランスの作曲家ポール・ドゥ・センヌヴィル(Paul de Senneville/1933-)。
曲名の「アデリーヌ」とは、センヌヴィルの当時生まれたばかりの娘の名前。オリジナルの曲名は『アデリーヌに捧げるバラード(Ballade pour Adeline)』だった。
オーディションで選ばれた「クレイダーマン」
センヌヴィルらは当時、美しく親しみやすいピアノ楽曲を世に提供する新しいアーティストのプロデュースを企画していた。
ピアニストのオーディションを行う前から、アーティスト名はリチャード・クレイダーマン、デビュー曲は『渚のアデリーヌ(アデリーヌに捧げるバラード)』と決まっていたという。
オーディションには約20人のピアニストが集まったが、ピアノの技術・音楽性、そして容姿のいずれにおいても優れていたのが、今日知られるクレイダーマンその人だった。
クレイダーマンは見事オーディションに合格。センヌヴィルが設立した新しいレコード会社「デルファン」から『渚のアデリーヌ』でレコードデビューを果たした。
表彰式でも使われている?
日本では『渚のアデリーヌ』が小学校の給食や掃除の時間などの校内放送で使われていることは既に述べたが、ネットで調べてみると、他にも同曲がBGMとして使われるケースがあるようだ。
一つ目は、陸上競技の表彰式でBGMとして使われるケース。『渚のアデリーヌ』のキラキラと輝くような美しいメロディは、陸上競技の入賞者への称賛にも相性が良さそうだ。
ちなみに、表彰式の定番メロディはヘンデル作曲『見よ、勇者は帰る』が有名。
二つ目は、病院で消灯時間を知らせる院内放送のBGMとして使われるケース。『渚のアデリーヌ』はサビのキラキラとした部分に注目が集まりやすいが、曲の終わりの何とも言えない物寂しい雰囲気も趣があり、病院での一日の終わりを美しく演出するBGMとしてうまく使えそうだ。
曲の終わりの物寂しい雰囲気は、小学校で下校時間や昼休みの終わりなど、節目の時間の終了を知らせる校内放送にも良く合いそうだ。
楽譜・スコア
楽譜:ピアノソロ 連弾 ベスト・オブ・リチャード・クレイダーマン
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