モスクワ郊外の夕べ Moscow Nights

ロシア歌曲/窓に明かりが灯り 静かに暮れ行く

『モスクワ郊外の夕べ(Moscow Nights)』は、1955年に作曲されたロシア歌曲

マトゥソフスキー(Mikhail Matusovsky)作詞、ソロヴィヨフ(Vasily Solovyov-Sedoy)作曲。

この曲は当初、ソビエトが西側諸国の「オリンピック」に対抗して開催していた「スパルタキアード(the Spartakiad)」のドキュメンタリーフィルムのワンシーンに使われていた。

1961年には、イギリスのジャズグループ「Kenny Ball(ケニー・ボール)」により、『Midnight in Moscow』のタイトルでジャズにアレンジされている。

1964年以降になると、ソビエトのラジオ放送の時報や、ラジオモスクワの英語版短波放送などで頻繁に用いられ、その人気は世界的な広まりを見せた。

【試聴】モスクワ郊外の夕べ Moscow Nights 歌あり

【試聴】Red Army Choir: Moscow Nights

日本語歌詞(楽団カチューシャ版)

1.
樹々のささやきも消え 露ふかく眠る
君と会うひとときよ 野道の夕暮れ

<注:後半を繰り返して歌う。以下同様。>

2.
川のさざなみゆれて 月は青く照り
流れくる歌声も かすかな夕暮れ

3.
なぜに君はうなだれ まなざしをさける
うち明けるすべもなし 燃えるわが思い

4.
やがて明けゆく空よ 別れゆく君よ
忘れまいこの宵を 野道の夕暮れ

日本語歌詞(穂高五郎版)

1.
窓にあかりがともり 木陰はむらさき
夕暮れのひと時を 静かに行く道

<注:後半を繰り返して歌う。以下同様。>

2.
河面に月の光 さざ波くずれて
風にのり渡りくる 歌声聞いてる

3.
やさしき君のうなじ まつげがふるえる
うち明けることばなく この道この胸

4.
短い夜の空に 白さがただよう
いつまでも忘れない ああモスクワ郊外

日本語歌詞(合唱団白樺版)

1.
ざわめきも今はなく ものみな微睡(まどろ)む
君知るやすばらしき 夕べのひととき

2.
白き月の光に 河波も静か
歌声は遠く流る 夕べの静寂(しじま)を

3.
恥じらいに目を伏せて いとしい恋人は
わが胸に頬よせて 明日(あす)をば夢見る

4.
東ははや白みぬ よき朝の来たり
忘るるなこの夏の 夕べのひととき

世界青年学生祭での優勝曲

1957年、世界青年学生祭(World Festival of Youth and Students)がモスクワで開催され、『モスクワ郊外の夕べ』が第一位を獲得する優勝曲となった。

世界青年学生祭とは、国際学生連盟と世界民主主義青年同盟が合同で開催している国際的な音楽祭。

第一回のチェコ大会(1947年)に始まり、ハンガリー(1949年)、ポーランド(1955年)、オーストリア(1959年)、キューバ(1978年)、アルジェリア(2001年)、ベネズエラ(2005年)など、世界各国を会場として不定期に開催されている。

『モスクワ郊外の夕べ』が第一位を獲得した第6回大会(1957年)は、参加国は131カ国、総勢4万人近い参加者を集め、過去最大の規模で開催されたという。

世界青年学生祭での優勝を期に、アメリカの国民的ピアニストであるヴァン・クライバーン(Van Cliburn/1934-)に見出され、彼の演奏により『モスクワ郊外の夕べ』の知名度は一層高まりを見せていった。

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