チャンダ・ママ インド童謡
Chanda Mama Door Ke

日本の歌謡曲『じんじろげ』の原曲?

『チャンダ・ママ Chanda Mama Door Ke』は、インドで有名な童謡・子供向けの歌。曲名の「チャンダ・ママ」とは「母なる月」を意味する(画像の出典:YouTube)。

インドには曲名に「チャンダ・ママ Chanda Mama」がついた曲がいくつか存在しており、特に有名な楽曲として、2000年代に大和証券グループCMで流れた「PLAYING FOR CHANGE」シリーズ中で使われた同様のタイトルの曲があるが、本ページで扱う『Chanda Mama Door Ke』とは別の曲である。

同CM曲におされて、日本では全く知名度のない『Chanda Mama Door Ke』であるが、本ページではある一つの目的のために、限られた情報にも関わらず、あえて同曲を取り上げてみたい(後半に続く)。

【試聴】Chanda Mama Door Ke - Vachan 1955

YouTubeで再生回数1億9千万回!

YouTubeでアップされている『チャンダ・ママ Chanda Mama Door Ke』の動画を見てみると、なんと再生回数は約1億9千万回にも達している。人口の多い国で人気が出るとその反響も凄いことになるようだ。

筆者もまずこの再生回数に惹かれ、何の先入観もなくリラックスした状態で動画の再生ボタンをクリックしたのだが、聴き進んでいくうちに、日本のある有名な曲が頭をよぎった。

その曲とは、1961年に森山 加代子の歌でヒットした昭和の流行歌『じんじろげ』。歌詞では、「ヒラミヤ バミヤ チョイナダ ディーヤ」、「ヒッカリ コマタキ ワーイワイ」など、魔法の呪文のような意味不明なカタカナ言葉が多用されており、コミックソング的な扱いで人気を博した。

この『じんじろげ』については、日本ボーイスカウトの創始者・久留島秀三郎が、京都大学の学生時代に酒屋でインド人が歌っていた曲が元になっているという。その曲は、古いインド民謡と説明されているが、それを裏付ける客観的な資料はないようだ。

酒屋でインド人が歌っていた曲とは?

仮に、「酒屋でインド人が歌っていた」という(大変疑わしい)説明が本当だとしたら、それは本当に古いインド民謡だったのだろうか?それとも単にインドの流行歌や歌謡曲だった可能性はないのだろうか?

この点について答えを出すには、まず『チャンダ・ママ Chanda Mama Door Ke』について詳しく見てみる必要がありそうだ。

同曲に関するネット上での数少ない情報を総合すると、『チャンダ・ママ Chanda Mama Door Ke』は1955年のインド映画「Vachan」で使われたサントラの一曲だそうで、その曲が特に人気となり、今日まで子供向けの歌として独立した楽曲となっているようだ。

このインド映画が当時どれぐらいヒットして、どれくらいインド国民の間に広まり、 その劇中歌『チャンダ・ママ Chanda Mama Door Ke』がどれほどのヒット曲になったのか等の情報は不明。

ただ、仮にこの曲が『おさかな天国』や『だんご三兄弟』並みの大ヒット曲だったとすると、日本に出稼ぎにきたインド人が酒屋で酔っ払った勢いでインド流行歌を歌い出したとしてもおかしくはないだろう。

同映画が公開されたのは1955年、そして日本で『じんじろげ』がヒットしたのは1961年、両曲が成立した年代も近い。

もしかすると、酒屋でインド人が歌っていた曲とは、この映画劇中歌『チャンダ・ママ Chanda Mama Door Ke』だったのではないだろうか?

同曲と『じんじろげ』は明るい曲調や進行も全体的に似ているほか、「パミヤ」などカタカナ歌詞の部分一致もいくつか見受けられる。何らかのインスピレーションを受けた可能性はありそうだ。

両曲の関係については、はっきりとした結論が出ることはないだろうが、これまでの『じんじろげ』のルーツ議論に一石を投じる分かりやすい情報がネット上で簡単に手に入る現代において、既存の「インド民謡説」が本当なのかどうか、「酒屋でインド人が歌っていた」なんて後付けの作り話ではないのか、再度検証を試みてみるのも面白いかもしれない。

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