指きりげんまん 嘘ついたら針千本飲ます

わらべうた・手遊び歌

約束事をする際に歌うわらべうた「♪指きりげんまん 嘘ついたら針千本飲ます 指きった♪」の「指きり」は、江戸時代の遊郭で行われた誓いの儀式に由来するという。

吉原などの江戸時代の遊郭では、遊女が意中の男性客に誓いを建てる為、自らの小指の先を切って渡すという儀式的な風習があったそうだ。

本当にこのような行為が行われていたかどうかは不明であり、もしあったとしてもごく限定的で非常にレアなケースだったと思われる。

「指きり」が庶民のわらべうたの題材となった詳しい経緯は明らかではないが、江戸時代には人形浄瑠璃「曽根崎心中」のような極端な男女の恋愛物が流行しており、「指きり」のような行き過ぎた誓いの儀式さえも、その延長線上で広く庶民の間に認知されていったと推測される。

さて、わらべうた『指きりげんまん』には、「指きり」以外にも「げんまん」、「針千本飲ます」といったフレーズが追加されているが、「げんまん」は「拳万」、すなわち約束破ったら一万回げんこつで殴るぞ、という意味合い。

「針千本飲ます」の「千本」は、きっちり千本ちょうどの針という意味ではなく、本数が非常に多いことの例え。現代でも千本桜、千本ノック、千本ナイフなどにこの用例が見られる。

フグ目の魚「ハリセンボン」も、千本の針を思わせるような多数のトゲがあるが、実際のトゲは400本前後しかないそうだ。ちなみに沖縄では、ハリセンボンは味噌仕立ての郷土料理「アバサー汁」として美味しく料理されている。

英語の「指きりげんまん」は?

日本の「指きり」に似た慣習はアメリカでも確認されているようで、英語では「ピンキープロミス pinky promise」、「ピンキースウェア pinky swear」などと呼ばれている。

「ピンキー pinky」は小指、「プロミス promise」は約束、「スウェア swear」は誓いをそれぞれ意味する。

なお、約束する際の英語表現(キリスト教圏)としては、次のようなフレーズも有名。

Cross my heart and hope to die, stick a needle in my eye.

(胸の前で)十字を切って神に誓うよ。破ったら死んでもいい。針を自分の目に突き刺すよ。

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