谷茶前節 たんちゃめぶし 歌詞の意味

タンチャマシマシ リアンガソイソイ♪

『谷茶前節(たんちゃめぶし)』は、沖縄県恩納村(おんなそん)の海岸「谷茶前(たんちゃめ)」での漁を題材とした沖縄民謡

歌詞では、男が櫂(かい)で魚を捕り、女はバーキ(ざる)に魚を入れ頭に載せて売り歩く様子が描かれる。

谷茶の浜(谷茶ビーチ)

写真:谷茶の浜(谷茶ビーチ)

250年ほど前に琉球王が万座毛(まんざもう)に立ち寄り、その琉球王を歓待するために作曲されたという。

踊りは、舞踊の名人・玉城盛重氏により明治20年代に振りつけられた。

沖縄都市モノレール線(ゆいレール)の那覇空港駅では、『谷茶前節(たんちゃめぶし)』が発車メロディ・車内放送チャイムに使用されている。

【YouTube】谷茶前節(たんちゃめぶし)

歌詞

1.谷茶前ぬ浜に
スルル小(ぐゎ)が寄てちゅんどーヘイ
スルル小が寄てちゅんどーヘイ

タンチャ(ナンチャ) マシマシ(ムサムサ)
デアングヮ(リアングヮ) ソイソイ
デアングヮ(リアングヮ) ヤクシク

2.スルル小(ぐゎ)や あらん
大和ミジュンど やんでぃんどーヘイ
大和ミジュンど やんでぃんどーヘイ

タンチャ マシマシ
デアングヮ(リアングヮ) ソイソイ
デアングヮ(リアングヮ) ヤクシク

3.アヒー達(たー)や うい取(と)いが
アン小(ぐゎ)や かみてうり売いがヘイ
アン小や かみてうり売いがヘイ

タンチャ マシマシ
デアングヮ(リアングヮ) ソイソイ
デアングヮ(リアングヮ) ヤクシク

4.うり売て戻いぬ
アン小(ぐゎ)が  匂いぬしゅらさヘイ
アン小が  匂いぬしゅらさヘイ

タンチャ マシマシ
デアングヮ(リアングヮ) ソイソイ
デアングヮ(リアングヮ) ヤクシク

歌詞の大意

谷茶前の浜に スルルが押し寄せてきた。いや、あればミズンだ。男達が獲って、女達が売り歩く。売った後の娘達は魚の匂いがして可愛らしい。

囃子言葉について

歌詞で繰り返し歌われる次の部分は、歌の調子を整えるための意味のない囃子言葉(はやしことば)。

囃子言葉の例としては、例えば『東京音頭』で言えば、「ヤットナ ソレ ヨイヨイヨイ♪」の部分がそれにあたる。

タンチャ(ナンチャ) マシマシ
デアングヮ(リアングヮ) ソイソイ
デアングヮ(リアングヮ) ヤクシク

ただ、この『谷茶前節(たんちゃめぶし)』の場合は、「デアングヮ」の「デ(ディ)」は「さあ」という掛け声、「アングヮ(アングァー)」は「娘、お姉さん」、「ヤクシク」は「約束」の意味がある。

「娘、お姉さん」を意味する「アングヮ(アングァー)」は、4番の歌詞で「アン小(ぐゎ)」として登場する。

スルルとは?

「スルル」とは、ニシン科の小魚「キビナゴ」のこと。日本各地では、ハマイワシ、ハマゴ、ハマゴイ、キミナゴ、カナギなどとも呼ばれる。

キビナゴ

挿絵:キビナゴ(出典:Wikipedia)

ミズンとは?

「大和ミズン(ミジュン)」とは、同じくニシン科の小魚「ミズン」を意味し、日本では沖縄県、鹿児島県奄美大島などに分布している。体長は平均10cm前後(最大25cm)。

ミズン 魚

写真:ミズン(出典:Wikipedia)

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