木曽節 歌詞の意味 木曽踊り

木曽のナー 中乗りさん 木曽の御岳さんは ナンジャラホーイ♪

『木曽節』(きそぶし)長野県木曽地域に伝わる長野県民謡。夏の盆踊りイベント「木曽踊り」の曲としても知られる。

『木曽節』の歌詞では、「中乗りさん」、「ナンジャラホーイ」という印象的な語句やフレーズが登場する。これらの意味・由来について簡単にまとめてみた。

写真:御嶽山(おんたけさん)/出典:Wikipedia

 

【YouTube】 三橋美智也 木曽節

歌詞の一例

木曽のナー 中乗りさん
木曽の御岳(おんたけ)さんは
ナンジャラホーイ(ナンチャラホーイ)
夏でも寒い ヨイヨイヨイ

ハー ヨイヨイヨイノ ヨイヨイヨイ

袷ょ(あわしょ)ナー 中乗りさん
袷ょ やりたや ナンジャラホーイ
足袋もそえて ヨイヨイヨイ

ハー ヨイヨイヨイノ ヨイヨイヨイ

中乗りさん 意味・由来

『木曽節』の歌詞にある「中乗りさん(なかのりさん)」の意味・由来については諸説あるが、伐採した丸太を木曽川で運ぶ筏(いかだ)の漕ぎ手(筏師)と関連づける説が一般的なようだ。

写真:愛媛県大洲市内子町の筏流し(出典:内子町観光協会)

丸太を運ぶ筏の先頭に乗る人を「舳乗り(へのり)」、後ろを「艫乗り(とものり)」、そして真ん中に乗るのが「中乗り」で、これが『木曽節』の歌詞にある「中乗りさん」であると考える説だ。

他の説としては、三人乗りの鞍の真ん中に乗る人と解釈する説や、御岳教で神のお告げを伝える「中座」を意味すると考える説などがあるようだ。

ナンジャラホーイはサンスクリット?

『木曽節』の歌詞で印象的に用いられる「ナンジャラホーイ」または「ナンチャラホーイ」については、おそらくは歌の調子を整えるだけの意味のない囃子詞(はやしことば)と思われる。

ただ、この「ナンジャラホーイ」に意味・由来を追求する次のような説も存在する。

「なんじゃやらホイ」の掛け声のつまったものだという説と、「ナムチャラホイ」つまり梵語で盆踊りの意味だという説がある

<Webサイト「信州の文化」より引用>

興味深いのは「梵語で盆踊りの意味」という説。「梵語(ぼんご)」とは、インドなど南アジアや東南アジアに広まるサンスクリット語のこと。

確かに、お盆(盂蘭盆)や達磨(だるま)、旦那(だんな)など、サンスクリット語に由来する日本語は数多く存在する。本当だったら非常に面白い。

あわしょの意味は?

『木曽節』の歌詞にある「袷ょ(あわしょ)」とは「袷(あわせ)」を意味する。

袷(あわせ)とは、表地に裏地を縫い合わせた衣服のこと。

御嶽山(おんたけさん)は夏でも寒いとの歌詞のとおり、肌寒い中で仕事をする「中乗りさん」のために、保温性の高い袷をプレゼントしてやりたい、足も冷えるだろうから足袋も添えて、といった内容が歌われている。

木曽踊り

長野県木曽町では、毎年8月上旬から中旬にかけて、『木曽節』に合わせて踊る盆踊り「木曽踊り」が開催されている。

木曽踊りの歴史は長く、平安時代末期の武将・木曽義仲(源 義仲)の戦勝祝いに踊った「武者踊り」が起源と考えられているようだ。

【YouTube】木曽踊り 長野県木曽福島

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