花嫁人形

泣くに泣かれぬ花嫁人形は 赤い鹿の子の千代紙衣装

「金襴緞子(きんらんどんす)の帯しめながら、花嫁御寮(ごりょう)は何故泣くのだろ」が歌い出しの『花嫁人形』は、1923年(大正12年)に発表された日本の抒情歌。

作詞は、画家・詩人の蕗谷 虹児(ふきや こうじ/1898-1979)。作曲は、ヴァイオリニスト・作曲家の杉山長谷夫(すぎやま・はせお/1889-1952)。

『花嫁人形』の歌詞では、「金襴緞子(きんらんどんす)」や「文金島田(ぶんきんしまだ)」など、花嫁衣装や髪型などに関連する単語が随所にちりばめられている。

これらの語句について若干解説を加えると、「金襴(きんらん)」とは、綾織りの布地(綾地)に金糸で文様を織り出した織物、「緞子(どんす)」とは、しゅす織り(繻子織)に模様を織り出した織物。

いずれも高級織物の代名詞であるこれら二つの織物をつなげて「金襴緞子(きんらんどんす)」と用いることで、「ぜいたくで高価な美しい織物」的な意味合いを表す。

「文金島田(ぶんきんしまだ)」とは、花嫁が結う髪型で「文金高島田」とも表記され、根元を高く仕立てた島田髷の一種である高島田(奴島田)のうち最も根が高く上品な髪形(上写真)。

「鹿の子(かのこ)」とは、小鹿の背中にある斑点に似た織物の模様。鹿の子斑(かのこまだら)とも呼ばれる。「鹿の子編み」、「鹿の子絞り」、「鹿の子繍(ぬい)」、「鹿の子織り」など、現在でも和装や手芸関連で用いられている。

「花嫁御寮」の「御寮(ごりょう)」とは、主に上方で用いられた言葉で、中流町家の娘や若い妻を指し、「御寮人さん」、「御寮はん」などとも呼称される。古くは室町時代から貴人の子息・息女を指す尊敬語として用いられていた。

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