クラリネットをこわしちゃった 歌詞の意味・和訳

オーパッキャマラード パッキャマラード パオパオパ♪

『クラリネットをこわしちゃった』は、作詞・作曲者不詳の有名なフランス童謡。『クラリネットが壊れちゃった』と勘違いしそうなタイトル。

原曲はフランス語の歌詞で歌われるが、日本語歌詞もつけられており、意味不明な「オー パッキャマラード(オ パキャマラド)」のフレーズは特に有名。

このページでは、日本語歌詞の「オーパッキャマラード」の意味や、原曲のフランス語の歌詞の意味・和訳について、簡単にまとめてみたい。

【YouTube】クラリネットをこわしちゃった

日本語歌詞について

まずは、『クラリネットをこわしちゃった』日本語歌詞(訳詞:石井好子)を次のとおり引用し、「オーパッキャマラード(オ パキャマラド)」の意味などについて簡単に解説してみたい。

ぼくの大すきな クラリネット
パパからもらった クラリネット

とっても大事に してたのに
こわれて出ない 音がある
どうしよう どうしよう

オ パキャマラド パキャマラド
パオパオ パンパンパン
オ パキャマラド パキャマラド
パオパオパ

ドとレとミの音が出ない
ドとレとミの音が出ない

とっても大事に してたのに
こわれて出ない 音がある
どうしよう(コラ)
どうしよう(コラ)

オ パキャマラド パキャマラド
パオパオ パンパンパン
オ パキャマラド パキャマラド
パオパオパ

ドとレとミとファとソと
ラとシの音が出ない
ドとレとミとファとソと
ラとシの音が出ない

パパも大事に してたのに
見つけられたら おこられる
どうしよう(オー)
どうしよう(オー)

オ パキャマラド パキャマラド
パオパオ パンパンパン
オ パキャマラド パキャマラド
パオパオパ

この日本語歌詞では、パパからもらったクラリネットが壊れてしまい、「どうしよう」と動揺し狼狽している少年(ぼく)の心境が描かれている。

「こわれて出ない音がある」というが、ドからシまで全部の音が出ていないので、「こわれて一つも音が出ない」という壊滅的な状態となっている。

オ パキャマラドの意味は?

「オーパッキャマラード(オ パキャマラド)」については、具体的に何か意味のある言葉として使われていないが、少年がまるで「オーマイガッ!」と叫んでいるかのように、動揺している心理状態を表現する擬態語のように機能しているところが興味深い。

実は、「オ パキャマラド」は原曲のフランス語をそのままカタカナに直した歌詞で、フランス語としては元々次のような意味がある。

Au pas, camarade

歩調を合わせるんだ 仲間よ

「au pas(オパ)」の部分が「歩調を合わせて」を意味し、「camarade(カマラード)」が「仲間、同志」を意味している。

ただ、原曲のフランス語は楽器(クラリネット)の吹き方について描写しているので、フランス語歌詞の和訳では「リズムに合わせて」と意訳するのが良いと思われる。

原曲のフランス語 歌詞の意味・和訳(意訳)

次に、原曲のフランス語『J'ai perdu le do de ma clarinette』について、歌詞の意味・和訳(意訳)を次のとおりご紹介したい。

楽器の「ド」の音から「シ」の音まで一つずつ歌っていく長い歌なので、ここでは最初の「ド」の音についての歌詞のみを掲載する。

【YouTube】J'ai perdu le do de ma clarinette

J'ai perdu le do de ma clarinette,
J'ai perdu le do de ma clarinette,

Ah ! si papa il savait ca, tralala,
Ah ! si papa il savait ca, tralala,

Il dirait : "Ohe !"
Il dirait : "Ohe !"

僕のクラリネットの「ド」が
出なくなっちゃった

ああ!もしパパがこれを知ったら ラララ

きっとこう言うよ「おや!」

Tu n'connais pas la cadence,
Tu n'sais pas comment on danse,
Tu n'sais pas danser
Au pas cadence.

Au pas, camarade, Au pas, camarade
Au pas, au pas, au pas
Au pas, camarade, Au pas, camarade
Au pas, au pas, au pas
Au pas, au pas.

<以下パパのセリフ>
お前はリズムを分かっていないな
お前はダンスの踊り方を知らないようだ

リズムに合わせてやるんだ
リズムに合わせてだ 坊や
リズムに合わせて

「レ」から「シ」まで

フランス語の2番以降の歌詞では、冒頭の「J'ai perdu le do」の「do(ド)」の部分が「レ」から「シ」まで差し替えられて歌われる。

2. J'ai perdu le "ré"...

3. J'ai perdu le "mi"...

4. J'ai perdu le "fa"...

5. J'ai perdu le "sol"...

6. J'ai perdu le "la"...

7. J'ai perdu le "si"...

クラリネットは壊れていない?

原曲のフランス語の歌詞では、日本語歌詞のように「こわれて出ない」という表現はなく、単に「音が出なくなった」とだけ述べられており、それに対する解決法(正しい吹き方)をパパが教えている内容となっている。

この解決法の部分が、日本語歌詞では「オ パキャマラド」と意味不明なフレーズとしてフランス語の発音がそのままカタカナ化されている。

さらに原曲があった!?

上述のとおり、『クラリネットをこわしちゃった』の原曲は『J'ai perdu le do de ma clarinette』だが、このフランス語の童謡にもさらに原曲が存在する可能性がある。

その原曲とは、ナポレオン時代の行進曲『玉ねぎの歌 La Chanson de l'oignon』。さっそくYouTube動画で視聴してみよう。

【YouTube】Chant de l'Oignon

この『玉ねぎの歌 La Chanson de l'oignon』でも、「オ パキャマラド」のおなじみのフレーズが登場し、その部分のメロディも現在と同じ歌い方で歌われている。

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