Baa Baa Black Sheep
バーバーブラックシープ

ナーサリーライム・子供の英語の歌/メェメェ黒ヒツジさん

『Baa Baa Black Sheep バーバーブラックシープ』(メェメェ黒ヒツジさん)は、18世紀に出版されたイギリスの古いナーサリーライム・子供向けの歌

歌詞は様々なバリエーションがあるようだが、今日最も一般的と思われる歌詞は次のとおり。

Baa, baa, black sheep,
Have you any wool?
Yes, sir, yes, sir,
Three bags full;
One for the master,
And one for the dame,
And one for the little boy
Who lives down the lane.

メェメェ黒ヒツジさん
ウール(羊毛)あるかい?
はいはいあります
3つの袋に一杯のウールが
一つはご主人
一つは奥様
残りの一つは
路地の向こうの少年に

曲の由来・歴史的背景は?

『Baa Baa Black Sheep』の歴史的背景や曲の由来としてよく取り上げられるのが、13世紀後半のイギリスに存在した「wool tax(羊毛税)」との関係だ。

せっかく3袋もウールを収穫しても、ご主人に一袋、奥様に一袋差し上げれば、残りはたった一袋、ここでご主人を王族、奥様を貴族と解釈すると、少年は「庶民」の立場となり、貧しい庶民の手元には3分の1しか残らないという社会風刺的な歌と捉えることができる。

古い出版物の中には、少年の取り分に関する部分の歌詞が「But none for the little boy who cried in the lane(路地で泣いてる少年には何も残らなかった)」としているものもあり、当時の重税に苦しむ庶民の状況が、この『Baa Baa Black Sheep』の歌詞の中にひそかに込められていると解釈する説も多いようだ。

『アメイジング・グレイス』と「Black Sheep」

最後に、イギリスの元貿易商で牧師のジョン・ニュートンが作詞したとされる名曲『アメイジング・グレイス Amazing Grace』と『Baa Baa Black Sheep』は、曲の歴史的背景的につながりがある、との解釈を試みてみたいと思う。

『Baa Baa Black Sheep』が出版された当時の18世紀イギリスでは、元貿易商のジョン・ニュートンも深く関わっていたのだが、イギリス・アフリカ・アメリカ間の三角貿易が盛んに行われていた。

ジョン・ニュートンと三角貿易については、こちらの解説ページ「三角貿易に携わるジョン・ニュートン」を別途ご覧いただきたいが、この貿易により、アメリカやイギリスに多くの黒人たちが海を越えて運ばれていった。

ジョン・ニュートンは後に自らの行いを後悔し、神の恵み(アメイジング・グレイス)に目覚めて曲を作詞することになるのだが、『Baa Baa Black Sheep』もおそらく当時のイギリスに運ばれた黒人労働者達を暗示している要素が強く、この2曲はこれらの点で歴史的なつながりがあるのではないかと解釈できるように思われる。

なお同様に、アメリカ歌曲関連では、スティーブン・フォスター作曲の名曲『主人は冷たい土の中に』や『オールド・ブラック・ジョー』などが広く知られている。

歌詞の一部を修正する動きも

上述した歴史的背景と関連するが、『Baa Baa Black Sheep』の「black」という単語が政治的に相応しくないということで、もっと別の中立的な表現の単語に差し替えようという動きが何度も検討されている。

具体的には、「Baa Baa Little Sheep」、「Baa Baa Rainbow Sheep」、「Baa Baa Happy Sheep」など、「black」が様々な無難な単語に置き換えられて歌われるケースが90年代からいくつか見られるようになっているようだ。

【試聴】Classic Nursery Rhymes : Baa Baa Black Sheep

【試聴】Baa Baa Black Sheep Animated - Mother Goose Club

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