タタロチカ Tatarochka

フォークダンス(ロシア)/両手を高く掲げて「ヤクシー!」

『タタロチカ Tatarochka/Татарочка』は、「ロシア・タタールの踊り」と紹介されるフォークダンスの曲。東洋的な手の動きと、スラブ的な激しい足さばきとが織り込まれている。

フォークダンス初心者でも比較的簡単に踊れる曲で、小学校の運動会や地域のイベントなどにも向いていると思われる。

一般的な踊り方としては、参加者全員でシングルサークルを形成し、顔の左右で一回ずつ拍手、ランニングステップ4歩でその場で回転し、逆向きでもう1セット。次は左右の拍手の後にかかとを交互に出すヒールポイントと、交互に後ろへけり出す動作を行う。

そしてこの『タタロチカ』の最大の特徴とも言えるパートは、太もも(ひざ)を6回たたいて、両手を胸の前で交差し、両手を高く掲げて「ヤクシー!」と掛け声を発する場面だろう。

この「ヤクシー」とはタタール語で、ロシア語の「ハラショー」に該当する言葉であり、その意味は「良い」、「素晴らしい」などの賞賛を表す感嘆語として使われる言葉のようだ。

【YouTube】中標津夏祭り2011 フォークダンス/タタロチカ

バレエ作品としての「タタロチカ」

YouTubeで『タタロチカ Tatarochka』を検索していると、フォークダンスの曲に加えて、バレエ作品としての『タタロチカ』動画が公開されていた。

踊り手は、イーゴリ・モイセーエフバレエ団(Igor Moiseev's Ballet)。ロシアの民族舞踊を芸術性の高いバレエ作品にアレンジした作品を数多く発表しているバレエ団で、『タタロチカ』もフォークダンスのイメージとはかけ離れた華やかな舞台芸術として演出されている。

【YouTube】バレエ版 タタロチカ Tatarochka

バレエ版の動画を見ると、前半に登場する女性の動きの切れが素晴らしく、アップテンポな『タタロチカ』の軽快なリズムに合わせて、広い舞台を軽やかなステップで駆け回るダンサーに視線が釘付けになってしまう。

中盤から男性ダンサー二人が加わると、女性ダンサーの華やかさが一層引き立つ。女性の体力が心配になってくるほどの運動量だが、最後まで駆け抜けるようにバレエ版『タタロチカ』を踊り切ったダンサー達には惜しみない拍手を贈りたい。

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