黄色いリボンのメロディのルーツは?

黄色いリボンの謎 ドナドナ研究室

カリフォルニア州のByron Coffin婦人による弾き語りが収録された80年前のイギリスにおいて、民謡「SHE WORE A YELLOW RIBBON」のルーツが確認されています。

そのルーツとは、「All Round My Hat」という曲で、1859年出版「Chappell's Popular Music of the Olden Time」に「The Budgeon is a Fine Trade 」という曲名で掲載されたものです。さっそく歌詞の一部を見てみましょう。

My love she was fair and my love she was kind
And cruel the judge and jury that sentenced her away
For thieving was a thing that she never was inclined to
They sent my love across the sea ten thousand miles away

Chorus(コーラス部分)

この歌では、盗みをはたらいてオーストラリアに島流しとなったガールフレンドを恋しがる行商人のストーリが描かれています。

なお、当時のイギリスはオーストラリアを流刑地としていました(この点については、ソングブック「調子をそろえてクリック、クリック、クリック」のページでも解説しています。)

コーラス部分を見ると、「遠くにいる愛する人を思う」という点や、「頭に何かをつけている」という点など、「SHE WORE A YELLOW RIBBON」との共通点・類似点を多く見出せると思います。

ただ、よく見ると、「SHE WORE A YELLOW RIBBON」でいうところの「yellow ribbon」のところが「greenie willow(緑のヤナギ)」となっているのが興味深いところです。

ちなみに、大修館書店「ジーニアス英和辞典(改訂版)」によれば、willowの花言葉は「見捨てられた恋人」となっており、この「ALL ROUND MY HAT」との関連性が少なからず伺われることは見逃せない点でしょう。

「willow」という単語は「yellow」と発音もスペルも似ており、おそらく長い年月をかけて人から人へ歌い継がれていく過程において、より明るく楽しい方向へ歌詞がアレンジされていったものと思われます。

ちなみに、この「ALL ROUND MY HAT」についてもかなり昔にルーツを探っていくことが可能とされているようであり、17世紀頃のイギリスのブロードサイド・バラッドにその原形を見る事ができるそうですが、この点については、機会があれば、当サイトの別の特集などで触れてみようと思います。ブロードサイド・バラッドについては、「ドナ研No.008 スカボローフェア」のページでも解説しています。

時代によって変化していく黄色いリボン

最初のページで、「映画のハンカチは夫婦愛の証し。戦争に行く兵士の無事を願うこととは本質的に違う」という山田洋次監督の発言がありましたが、元々のアメリカ民謡「黄色いリボン」の生い立ちを考えると、夫婦愛だけでなく、戦争に行く兵士の無事を願うものとして黄色いリボン(ハンカチ)が用いられるのは、特段違和感のあるものではないと思われます。

きっとこれからも、この「黄色いリボン」は、様々なシチュエーションで、その時代によって最もふさわしい態様で、多くの人々によって用いられていくことと思われます。

そして、民謡「SHE WORE A YELLOW RIBBON」の方も、その習慣にあわせて、歌詞の内容やメロディーを少しずつ変化させながら、多くの人々によって愛され続けていくことでしょう。

ドナドナ研究室 ファイルNo.009 黄色いリボン 

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黄色いリボンの謎 目次

  1. 高倉健「幸せの黄色いハンカチ」
  2. オークの木と黄色いリボン
  3. バスに乗って恋人の元へ
  4. 黄色いリボンの意味の違い
  5. 有名コラムニストの記事
  6. 白いリボンとリンゴの木?
  7. 放蕩息子の帰郷
  8. ジョン・ウェイン「黄色いリボン」
  9. 身に着けるか結びつけるか
  10. 1939年の音声資料とは?
  11. 騎兵の歌と黄色の関係とは?
  12. メロディーのルーツを求めて

【関連曲の試聴など】

アメリカ民謡『黄色いリボン She Wore a Yellow Ribbon』

トニー・オーランド&ドーン 『Tie a Yellow Ribbon Round the Ole Oak Tree』

【ドナドナ研究室とは?】

「ドナドナ研究室」とは、『アメイジング・グレイス』、『森のくまさん』、『グリーングリーン』、『ドナドナ』など、誰もが知ってるあの曲のエピソード・ルーツ・歴史的背景などの謎に迫る研究ページ。

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