眠れる森の美女

チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky/1840-1893)

『眠れる森の美女』は、ロシアの作曲家チャイコフスキーによって作曲されたバレエ音楽。振り付けはマリウス・プティパ

シャルル・ペローのおとぎ話『眠れる森の美女』をベースに、サンクトペテルブルクの帝室劇場総裁イワン・フセヴォロシスキーが台本を書き下ろした。

チャイコフスキーの三大バレエの中で、演奏時間が最も長い。全曲を通した上演には優に2時間を要し、マリインスキー・バレエだけが上演している本格的な「眠れる森の美女」の上演時間は4時間にも及ぶ。

【YouTube】「眠れる森の美女」より「ワルツ」

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あらすじ・ストーリー

プロローグ ~オーロラ姫と邪悪な妖精カラボス~

フロレスタン14世の娘、オーロラ姫の誕生により、盛大な洗礼の式典が行われていた。

6人の妖精たちの一行が、彼女の名付け親となるべく招待された。それは夾竹桃の精、三色ヒルガオの精、パンくずの精、歌うカナリアの精、激しさの精、そして一番偉い善の精、リラの精である。

まず国王が妖精たちに贈り物をし、妖精たちがそれぞれオーロラ姫に授け物をする。その時、邪悪な妖精カラボスがやってくる。

カラボスは自分が洗礼に招待されなかったことに怒り狂い、オーロラ姫に次のような呪いをかける。

「オーロラ姫は、20回目の誕生日に、彼女の指を刺して死ぬだろう。」

しかし幸運にも、リラの精だけはまだ姫に何も授けていなかった。リラの精は言った。
「カラボスの呪いの力は強すぎて、完全に取り払うことはできません。したがって姫は指を刺すでしょうが、死ぬことはありません。100年間の眠りについたあと、いつか王子様がやってきて、彼の口づけによって目を覚ますでしょう。」

第1幕 100年の眠りにつくオーロラ姫

オーロラ姫はすくすくと成長し、20歳(16歳)の誕生日を迎えた。

4人の求婚者が姫に贈り物を手渡した。その中に糸をつむぐ紡錘(スピンドル)があった。尖ったものに気をつけるようにという両親の忠告にも関わらず、それを持ったままで楽しそうに踊っていた姫は、誤って指を刺してしまった。

実は、邪悪な妖精カラボスが求婚者の一人に化けていたのだ。カラボスはすぐに邪悪な本性を明かし、驚く賓客の前で勝ち誇りながら姿を消す。

そこへリラの精がやってきて、オーロラ姫は眠りについただけ、と諭した。そして城にいた全員に眠りの魔法をかけた。オーロラ姫が目覚めるその時に、目を覚ますようにと。

第2幕 王子のキスで目を覚ました姫

それから100年が経った頃、デジレ王子が一行を率いて狩りを行っていた。王子は狩りが楽しくなかったため、一人になりたいと申し出て、一行から離れた。

そこに突然リラの精が現れて、オーロラ姫の幻を見せられ、その美しさの虜となる。王子はリラの精にオーロラ姫の元へ連れて行くよう頼み込み、今や太いツルが伸び放題でからみついている城にたどり着く。

王子は中で眠っているオーロラ姫を発見した。王子のキスによってオーロラ姫は目を覚ます。城にいた全員も目を覚ました。王子は姫への愛を告白し、結婚を申し込む。

第3幕 妖精達の華やかなダンスと婚礼の儀式

婚礼の仕度は整った。祝祭の日にさまざまな妖精たちが招かれている。

結婚を祝福するのは、金の精、銀の精、サファイアの精、ダイヤモンドの精。リラの精もカラボスも出席している。

「長靴をはいた猫」や「白猫」などのおとぎ話の主人公たちも来賓として居合わせている。

華麗なダンスが次々に踊られる。4人の妖精のパ・ド・カトル、2匹の猫のダンス、青い鳥とフロリナ王女のパ・ド・ドゥ、赤ずきんちゃんとおおかみの踊り、シンデレラ姫とチャーミング王子のダンスが披露され、オーロラ姫とデジレ王子のパ・ド・ドゥが続き、最後にマズルカで締め括られる。

オーロラ姫と王子は結婚し、妖精たちを讃えるアポテオーズの中で、人々は妖精たちに感謝を表し、リラの精やカラボスなどの妖精たちが人々を見守るうちにバレエは終幕となる。

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