子供のためのアルバムより『楽しき農夫』

シューマンの長女マリーの誕生日に贈られたピアノ小曲集

『楽しき農夫』は、シューマン作曲「子供のためのアルバム」より第10曲目のピアノ曲。

「子供のためのアルバム」は、シューマンが作曲した43曲からなるピアノ小曲集。「ユーゲント・アルバム」、「少年のためのアルバム」とも表記される。

シューマンとクララの夫婦が暮らしたドイツ・ライプツィヒの家

シューマンの長女マリーの誕生日プレゼントとして作曲された「子供のためのアルバム」。当初は7曲のみだったが、後に追加されて全2部43曲となった。さらにその後11曲が加えられている。

写真:シューマンとクララの夫婦が暮らしたドイツ・ライプツィヒの家

【YouTube】シューマン『楽しき農夫』

崖の上のポニョ主題歌と似てる?

シューマン『楽しき農夫』の一部のメロディは、スタジオジブリの長編アニメ映画「崖の上のポニョ」主題歌のサビの部分と雰囲気が似ているとの指摘があるようだ。

崖の上のポニョ

確かに音階的な一致度はそれほど高くないが、大まかな曲調がそれっぽさを感じさせる。キーを合わせて両曲を連続して弾けばさらに明らかになるだろう。

関連ページ:元ネタ・原曲・似てる曲 そっくりメロディ研究室

シューマンとクララの結婚・子供について

二人の結婚に大反対の父親

シューマンは、二十歳の時に高名なピアノ教師フリードリヒ・ヴィークに弟子入り。その10年後、教師ヴィークの娘で名ピアニストであった9歳年下のクララと結婚した。

クララの親であったヴィークはこの結婚に大反対。シューマンは、クララとの結婚を認めさせるために裁判まで起こしたという。

数多くの歌曲が生まれた「歌の年」

1840年、裁判により二人の結婚がようやく認められると、それまでピアノ曲が多かったシューマンが、とりつかれたように歌曲の作曲に熱中する。いわゆる「歌の年」だ。

1年ほどの間に、『詩人の恋』、『リーダークライス』、『女の愛と生涯』などの名曲が次々に生まれていった。有名な『流浪の民 Zigeunerleben』を含む『3つの詩 op.29』が作曲されたのも丁度この頃。

子供好きシューマン 子供は8人

シューマンとクララの間には8人の子供が生まれた。シューマンは子供好きで、いくら多くてもかまわないという考え方だったが、子供が増えるに従って、クララは演奏家と主婦、母親の両立に苦心していたようだ。

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