馬鹿囃子 ばかばやし 祭り囃子

関東近県に伝わる伝統の祭り囃子・屋台囃子

『馬鹿囃子(ばかばやし)』は、江戸時代から続く伝統的な祭り囃子・屋台囃子の一つ。関東近郊の祭り・祭礼において、山車(だし)などの上で演奏されるお囃子。

大太鼓や締め太鼓とともに、笛や摺鉦(すりがね)を用いてにぎやかに演奏され、おかめやひょっとこなどの踊りを伴うこともある。

佐原囃子

語源・由来としては諸説あり、おかめやひょっとこの馬鹿面(道化面)で踊る馬鹿踊(ばかおどり)の伴奏に用いられるからとの説明や、江戸時代の和歌囃子(わかばやし)がなまったとする説、若囃子(わかばやし)が転化したとする説などがある。

写真:佐原囃子(千葉県香取市・佐原の大祭/出典:Wikipedia)

【試聴】大坂五地区祭典(矢柄神社ご祭礼/遠州横須賀)

千葉県と静岡県で盛んに演奏

YouTubeで『馬鹿囃子』の動画を軽く検索してみると、主に千葉県と静岡県の各地の祭りで演奏されているように見受けられた(2019年現在)。

例えば、千葉県では香取市・佐原の大祭や小見川祇園祭(おみがわぎおんさい)、館山市・那古の祭や南総里見まつり、匝瑳(そうさ)市・八日市場東照宮春季例大祭などで、『馬鹿囃子』を演奏する動画が確認できた。

【試聴】 佐原の大祭 仁井宿 馬鹿囃子

静岡県では、伊豆稲取の祭り、掛川市の遠州横須賀・三熊野神社大祭(三社祭礼囃子)、袋井市浅羽の芝八幡神社大祭、磐田市貴船神社の掛塚祭・屋台囃子、浜松市天竜区の二俣諏訪神社祭典「遠州二俣祭り」などについて、『馬鹿囃子』の動画がYouTubeに投稿されていた。

【試聴】三社祭礼囃子 静岡県掛川市 三熊野神社大祭

実際には他の県でも『馬鹿囃子』の演奏機会はあるだろうが、特に千葉県と静岡県での演奏機会が多いように感じられた。

すっとこどっこいと関係?

「すっとこどっこい」という言葉があるが、この語源・由来を調べていくと、例えば「三省堂 大辞林」の解説では、そのルーツが『馬鹿囃子』の囃子詞(はやしことば)であると解説されている。

『馬鹿囃子』と「すっとこどっこい」の関連は本当なのか?それを確かめるべく、いくつかの『馬鹿囃子』演奏動画をYouTubeで確認してみたが、残念ながら、実際に「すっとこどっこい」の囃子詞が『馬鹿囃子』の中で使われている動画を見つけることが出来なかった。

【試聴】伊豆稲取 馬鹿囃子 ひょっとこ おかめ

おそらくは、『馬鹿囃子』での「ひょっとこ」の馬鹿踊(ばかおどり)と何らかの関係があるのだろう。ひょっとこ踊りでの手拭(てぬぐい)のかぶり方は「素男被り(すっとこかぶり)」と呼ばれている。

東海地方の祭りにおける屋台囃子では、合いの手の言葉として「とこどっこい!」という囃子詞が現代まで伝えられている地域もあるという。

愛知県に伝わる伝統的歌謡『名古屋甚句(なごやじんく)』では、「トコドッコイ ドッコイショ!」という囃子詞が印象的に用いられている。

『馬鹿囃子』と「すっとこどっこい」の関係については、今後も継続的な調査を行う予定。

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