暑さ寒さも彼岸まで 意味・由来は?

お彼岸のことわざ/年中行事・年間行事トピックス

「暑さ寒さも彼岸まで」とは、お彼岸にあたる春分の日や秋分の日を境に、それまでの暑さや寒さが和らいで過ごしやすくなるという意味の日本のことわざ

おはぎと日本茶

仏教由来の年中行事が行われるお彼岸の頃に、ちょうど季節の変わり目がやってきて過ごしやすくなる、という趣旨のことわざ「暑さ寒さも彼岸まで」だが、単に「季節のことわざ」だけの意味合いで話しを終わらせてしまうのはちょっともったいない。

このページでは、果たして「暑さ寒さも彼岸まで」のことわざと関係性があるのか不確かだが、結び付けて考えるとちょっと興味深い仏教の法話「二河白道 にがびゃくどう」について簡単に触れてみたい。

二河白道とお彼岸

二河白道(にがびゃくどう)とは、浄土信仰における現世と浄土、そして極楽往生を願う信心をたとえた説法・法話。まずは下の絵図を見ていただくのが早いだろう。

西側の岸に阿弥陀仏の極楽浄土が描かれ、反対側の岸には盗賊や獣の群れが描かれている。

両岸の間には、浄土へ続く一本の細い白い道、いわゆる白道(びゃくどう)が延び、その両側には二つの河、燃え盛る熱い火の河と、冷たい水の河が逆巻いている。

火の河は怒りや憎しみ、水の河は欲に流される貪りや執着の心を表し、白道を渡る衆生が、現世の煩悩や誘惑・迷いを断ち切り、阿弥陀仏の極楽浄土へ向かってひたすらに信心を深めていく様子がたとえられている。

現世の苦しみも浄土(彼岸)まで?

さて、「暑さ寒さも彼岸まで」の話に少し絡めて説明すると、「お墓参りとお彼岸 意味・理由は?」のページでも解説しているが、浄土信仰における彼岸(ひがん)とは、すなわち阿弥陀仏の極楽浄土を意味している。

私見だが、「暑さ寒さも彼岸まで」とは、二河白道の絵図に照らして解釈すれば、現世の煩悩・苦しみ(暑さ寒さ)も、阿弥陀仏への信心をもって白道を渡りきれば、これらの煩悩とは無縁の極楽浄土(彼岸)にたどり着けるのだという仏教的な法話として説明できるのではないだろうか?

なお、彼岸という仏教的行事が春分の日や秋分の日という天文学的な季節の変わり目に行われるのも決して偶然ではない。この点については、「お墓参りとお彼岸 意味・理由は?」を是非参照されたい。

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