ペトリューシュカ Petroushka

ウクライナ民謡『愛しのペトリューシャ』が原曲?

『ペトリューシュカ Petroushka (Where is Petrushka)』は、アメリカで20世紀後半に活躍したメリル・ステイトン合唱団(the Merrill Staton Choir)のアルバムに収録された子供向けの歌。

若干マイナーな部類に入るアメリカの童謡だが、NHK「みんなのうた」で放送された『ふたりは80才』という曲との関係で軽く取り上げてみたい。

NHKみんなのうた『ふたりは80才』に似てる?

NHKみんなのうた『ふたりは80才』とアメリカの童謡『ペトリューシュカ Petroushka』がどのような関係にあるのかというと、答えはズバリ、曲全体がよく似ているのだ。

Googleで「Merrill Staton Petroushka」のキーワードで検索すれば視聴ページが出てくると思われるので、もしページが見つかれば是非聴いてみていただきたい。

マイナーな曲なので、YouTubeではおそらく動画は上がっていないだろう(同名のフランス童謡があるので注意)。

『ふたりは80才』はユダヤ民謡?

NHK「みんなのうた」による公式解説によれば、『ふたりは80才』は古いユダヤ民謡だという。

アメリカの音楽業界では数多くのユダヤ人が活躍しているので、アメリカの童謡『ペトリューシュカ Petroushka』とユダヤ民謡がルーツの『ふたりは80才』のメロディが似る可能性も大いにあることだろう。

おそらくはメリル・ステイトン(the Merrill Staton)もユダヤ系と推測される。実際、『ペトリューシュカ Petroushka』が収録されたアルバムには、『ハバ・ナギラ』や『ハヌカ』といったイスラエル系の楽曲もいくつか含まれている。

ウクライナ民謡がルーツ?

アメリカの童謡『ペトリューシュカ Petroushka』については、その原曲・元歌(の可能性が高い楽曲)として、ウクライナ民謡『愛しのペトリューシャ Polyubyla Petrusya / Полюбила Петрусяという伝承曲が存在する。

2曲ともメロディは同じだが、『ペトリューシュカ Petroushka』の方がテンポが速く快活で、曲の途中でテンポが速くなる。『ふたりは80才』のアレンジにも近い。

仮に『ふたりは80才』がこの2曲のいずれかから影響を受けた可能性があるとすれば、それはウクライナ民謡の方ではなく、アメリカの童謡『ペトリューシュカ Petroushka』の方からではないかと推測される。

この点については、こちらのページ『ふたりは80才(みんなのうた)原曲はユダヤ民謡なのか?』でさらに解説を加えるので、是非ともお立ち寄りいただきたい。

歌詞の内容は?

アメリカの童謡『ペトリューシュカ Petroushka』の歌詞については、女性の視点から、「(男性の)ペトリューシュカ(ピョートルの愛称)はどこ?」と周囲を探し回るという他愛のない内容となっている(子供向けの歌なので)。

原曲・元歌のウクライナ民謡と比べると、ペトリューシュカ(ペトリューシャ)という男性名だけが共通点で、あとはほぼ別の歌となっている。

歌詞の一例・日本語訳(意訳)

Where is Petrushka Petrushka
I went asking near and far;
All up and down the town
In the hope I’d track him down
All up and down the town
In the hop I’d track him down

ペトリューシュカはどこいった?
あちこち尋ねて右往左往
見つかるといいのに

関連ページ

ふたりは80才(みんなのうた)原曲はユダヤ民謡なのか?
「お茶でも飲もうか おばあさん」「はいはい飲みましょ おじいさん」
愛しのペトリューシャ Polyubyla Petrusya / Полюбила Петруся
アメリカの童謡『ペトリューシュカ Petroushka』の原曲・元歌