Scots Wha Hae スコッツ・ホワ・ヘー
ロバート・バーンズ(Robert Burns/1759-1796)
『Scots Wha Hae スコッツ・ホワ・ヘー』は、スコットランドの国民的詩人ロバート・バーンズの詩によるスコットランド歌曲・愛国歌。かつては国歌的な扱いを受けいていた愛唱歌。
曲名の意味は、あえて訳せば「スコットランド人たちよ」。冒頭の歌詞「'Scots, wha hae wi Wallace bled」(英雄ウィリアム・ウォレスと共に血を流したスコットランド人たちよ)から採られている。
兵士らを整列させる当時のスコットランドの国王ロバート1世(ロバート・ザ・ブルース)
【YouTube】Scots Wha Hae- Braveheart
歌詞の意味・日本語訳(意訳)
'Scots, wha hae wi Wallace bled,
Scots, wham Bruce has aften led,
Welcome tae yer gory bed,
Or tae victorie.
ウォレスと共に血を流したスコットランド人たちよ
ブルースがよく率いたスコットランド人たちよ
いざ、勝利か死か!
'Now's the day, an now's the hour:
See the front o battle lour,
See approach proud Edward's power -
Chains and Slaverie.
今こそ決戦の日 時は来たのだ!
見よ 眼前にたちこめる戦雲を
見よ 驕れるイングランド軍を
忍び寄る鎖と隷属を
'Wha will be a traitor knave?
Wha will fill a coward's grave?
Wha sae base as be a slave?
Let him turn an flee.
裏切り者は誰だ?
臆病者は誰だ?
卑しい奴隷は誰だ?
そんな奴は今すぐ逃げ去るがいい!
'Wha, for Scotland's king and law,
Freedom's sword will strongly draw,
Freeman stand, or Freeman fa,
Let him on wi me.
スコットランドの王と法のため
自由の剣は力強く抜かれる
立ち上がり 倒れようとも
自由人よ 我に続け!
'By Oppression's woes and pains,
By your sons in servile chains!
We will drain our dearest veins,
But they shall be free.
圧政の苦痛と卑屈なる隷属によって
我らは尊き血を流してきたが
それも今日まで!
'Lay the proud usurpers low,
Tyrants fall in every foe,
Liberty's in every blow! -
Let us do or dee.
驕れる簒奪者を倒せ!
暴君はすなわち全ての敵!
自由は宿る 我らの全ての一撃に!
勝利か!死か!
歌詞の内容は?
『Scots Wha Hae スコッツ・ホワ・ヘー』の歌詞は、1314年にスコットランドがイングランドを撃破したバノックバーンの戦い(Battle of Bannockburn)を題材としている。
具体的には、バノックバーンの戦いを前にして、当時のスコットランドの国王ロバート1世(ロバート・ザ・ブルース /Robert I/1274-1329)が兵士たちに演説・スピーチするかのような形式の歌詞となっている。
なお、メロディについては、古いスコットランド歌曲『Hey Tuttie Tatie』が用いられており、同曲はロバート1世率いる軍隊によって実際に演奏されていたとの伝承も残されているようだ。
英雄ウィリアム・ウォレスについて
歌詞に登場する「ウォレス」とは、スコットランドの戦士ウィリアム・ウォレス(William Wallace/1270-1305)のこと。
1297年のスターリング・ブリッジの戦いで、イングランド王エドワード1世率いるイングランド軍に大勝利をおさめた。
そして『Scots Wha Hae スコッツ・ホワ・ヘー』の歌詞に登場するエドワード(Edward)とは、ウォレスが撃破したエドワード1世の四男エドワード2世を指している。
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