Sweet Rose of Allandale
愛しのアランデールのバラ

彼女との思い出と不遇の人生を嘆く悲しいストーリー

『愛しのアランデールのバラ』は、1835年頃にイギリスで広まったバラッド(物語のある歌)。「アラン(Allan)」というスコットランド中部の地名が題材として用いられている。

作曲はチャールズ・ジェフリーとする表記が多いが、古いスコットランド民謡をアレンジしたとの説も見られ、スコットランド民謡としても位置付けられることがある。

当時は4分の4拍子だったが、その後様々なアレンジが加えられ、現在ではワルツとして演奏されることが多いようだ。

歌詞の内容は、メアリーという女性をアランデールのバラにたとえ、彼女と過ごした蜜月の日々をしみじみと振り返る悲しいストーリー。

【YouTube】愛しのアランデールのバラ

歌詞の意味・日本語訳(意訳)

1.
The sky was clear, the morn was fair
Not a breath came over the sea
When Mary left her highland home
And wandered forth with me

空は澄み、晴れ渡る朝
海にはそよぐ風もない
メアリーが高地の家を去り
私と歩き回っていた頃には

Though flowers decked the mountainside
And fragrance filled the vale
By far the sweetest flower there
Was the rose of Allandale

花々は山腹を彩り、芳香を谷間中に満たしていた
中でも最も素敵なのは、アランデールのバラだった

Chorus
Sweet rose of Allandale
Sweet rose of Allandale
By far the sweetest flower there
Was the rose of Allandale

<コーラス>
愛しのアランデールのバラ
愛しのアランデールのバラ
最も素敵だった アランデールのバラよ

2.
Where'er I wander to the east and to the west
And fate began to lower
A solace still was she to me
In sorrow's lonely hour

西へ東へさ迷い歩き 運命は下降し始めていた
悲しみの孤独の時に 私にとっての慰めは彼女だった

Though tempest wreck my lonely barque
And may rend the quivering sail
One maiden warm withstood the storm
'Twas the rose of Allandale

大嵐が私の帆船を難破させようとも
震える帆を引き裂こうとも
嵐に耐えた元気な花は
それはまさしくアランデールのバラだった

Chorus

3.
And when my feeble lips were parched
On Africa's burning sands
She whispered hopes of happiness
And tales of foreign lands

アフリカの焼け付く砂漠に唇が焦げる中も
彼女は幸福の希望と異国の土地の話を囁いてくれた

My life had been a wilderness
Unblessed by fortune's gales
Had fate not linked my lot to her
Sweet rose of Allandale

私の人生は荒れ野原のようだった
幸運の疾風に恵まれることもなく
運命は私を彼女に引き合わせることはなかった
愛しのアランデールのバラよ

スコットランド中部を流れるアラン川

「アラン(ALLAN)」という地名は、現在では「ALLAN WATER」という川の名前に見ることができる。

「ALLAN WATER」は、フォース川(River Forth)の支流としてスコットランド中部のパース州とスターリングシャー区を流れる全長約35kmの川のこと。釣りの名所として、海外のフィッシング関連のサイトで「ALLAN WATER」の名前を見かけることがある。

スコットランド民謡の題材として用いられることも多く、「蛍の光」の原曲の作詞者として知られるロバート・バーンズも「ALLAN WATER」というスコットランド民謡の作詞を手がけていたようだ。

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