ピドゥマヌラ・ピドゥヴェラ
Pidmanula Pidvela
ウクライナ民謡/会うって約束してたのに、すっぽかされてがっかりだ!
『ピドゥマヌラ・ピドゥヴェラ Pidmanula Pidvela』(Пiдманула, пiдвела)は、男女の取り留めも無いやりとりがユーモラスなウクライナ民謡。
曲名の意味は「騙されてがっかりだ!」といった感じ。コーラスの歌詞の一部から『Ty zh mene pidmanula(Ты ж мэнэ пидманула)』とも表記される(意味:君が僕を騙した)。
写真:2009年にメルボルンで開催されたウクライナ・フェスティバルより(出典:Go豪メルボルン)
【YouTube】 Ты ж мэнэ пидманула
歌詞の意味・日本語訳(意訳)
Ти казала в понедiлок
Пiдем разом по барвiнок
Я прийшов, тебе нема,
Пiдманула, пiдвела.
君は言った 月曜日に花を一緒に摘もうって
僕は来たけど 君はいなかった
すっぽかされてがっかりだ
Ти ж мене пiдманула,
Ти ж мене пiдвела,
Ти ж мене молодого
З ума-розуму звела.
<コーラス>
君は僕を騙した
君にはがっかりだ
君は若い男を狂わせる
歌詞の続きについて
2番以降の歌詞でも、火曜日にキスしてくれる、水曜日に牛の世話を一緒にする、木曜日にコンサートへ行くなど、各曜日ごとに彼女は彼と会う約束をするのだが、結局彼女は約束の場所には来ないというパターンが繰り返される。
歌詞の内容はカバーするアーティストによって様々。彼女が来ないというフォーマットさえ守れば、自由に替え歌を楽しむことができるだろう。
ロシア歌曲『一週間』+『コロブチカ(行商人)』?
ウクライナ民謡『ピドゥマヌラ・ピドゥヴェラ Pidmanula Pidvela』の歌詞には様々なバージョンがあるが、おおまかな話の流れとしては、彼女と会う約束をしていた男性が、彼女にすっぽかされて怒っている(がっかりしている)パターンが定番のようだ。
しかもその約束は月曜日から日曜日の一週間。月曜日はすっぽかされて、火曜日もすっぽかされて、水曜日もすっぽかされて…というように、一週間毎日彼女に振り回されてしまう哀れな男性の姿が描かれている。
日本でも有名なロシア歌曲『一週間』では、毎日の仕事や生活の様子が淡々と描かれているが、このウクライナ民謡『ピドゥマヌラ・ピドゥヴェラ Pidmanula Pidvela』では、彼女が彼を月曜日から日曜日まで毎日翻弄するユーモラスな内容となっている。
メロディ進行的には、ロシア民謡『コロブチカ(行商人)』のそれが比較的近い印象を受ける。『一週間』+『コロブチカ』+「彼女に翻弄される彼」=『ピドゥマヌラ・ピドゥヴェラ Pidmanula Pidvela』というイメージ。
彼との約束をすっぽかし続ける彼女の真の目的やいかに。
参考:ウクライナ語の曜日表記
月曜日「понеділок」、火曜日「вівторок」、水曜日「середа」、木曜日「четвер」、金曜日「п'ятниця」、土曜日「субота」、日曜日「нядзеля」
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