あんよは上手 意味 語源・由来
あんよは上手 転ぶはお下手 ここまでおいで 甘酒しんじょ
『あんよは上手(じょうず)』は、赤ちゃんが立ち上がって歩く練習をする際に、周りの大人が赤ちゃんを囃し立てるように歌う遊ばせ歌・わらべうた。下の写真はハイハイする赤ちゃん。
歌詞は「あんよは上手 転ぶはお下手(へた) ここまでおいで 甘酒しんじょ」。「しんじょ」とは「進上」、つまり「ここまでこれたら甘酒をあげるよ」という意味。
「♪あんよは上手 手の鳴る方へ」と歌われることもあるようだが、これは「♪鬼さんこちら 手の鳴る方へ」との混同だろう。
「あんよは上手」をモチーフとした童謡『あんよの歌』についても参考までに歌詞を掲載しておく(作詞:清水かつら、作曲:草川 信)。
「あんよ」とは?
三省堂「大辞林 第三版」によれば、「あんよ」とは「足」または「歩くこと」を意味する幼児語と解説されている。
幼児語とは、乳幼児との会話に用いるいわゆる「赤ちゃん言葉」のこと。ご飯を「マンマ」、自動車を「ブーブー」、犬を「わんわん」などというのがこれにあたる。
日本の民謡・童謡でも、例えば「ねんねんころりよ おころりよ」の「ねんねん」や、『春よ来い』の歌詞「おんもに出たいと」の「おんも」などで幼児語が使われている。
「あんよ」の語源は?
「あんよ」の語源については定かではないが、興味深い説を一つご紹介。
かつて毎日放送(MBS)で放送されていた情報バラエティ番組「コトノハ図鑑」では、「あんよ」の語源について、下の画像のような解説がなされていた。
画像の出典:毎日放送(MBS)「コトノハ図鑑」より
この解説によれば、「あんよ」とは、歩くことを意味する「あんよみ」の「み」が省略されたのが現在の幼児語「あんよ」であり、「あんよみ」は鎌倉時代から存在していた言葉だという。
この解説をしたのは、日本語の語源に詳しい京都先端科学大学の丸太博之教授。「あんよみ」についてはこれだけでは説明不十分だが、時間の限られた番組の進行上、この「あんよみ」の詳細についてこれ以上の情報は番組内では示されなかった。
「あんよみ」語源説の今後の更なる情報提供を期待したい。
あんよの歌(作詞:清水かつら)
1
あんよは上手 ころぶはお下手
山かげ小やぶ よちよちあんよ
舌切り雀 お舌はいかが
2
あんよは上手 ころぶはお下手
小山を越えて よちよちあんよ
兎に勝った 亀さんどちら
3
あんよは上手 ころぶはお下手
じゃぶじゃぶ 川のお縁をあんよ
どんぶら桃は おお桃こ桃
4
あんよは上手 ころぶはお下手
かちかち山の ふもとの茶屋は
名物だんご かちかちだんご
5
あんよは上手 ころぶはお下手
夕やけ小やけ お戻りあんよ
小がにの家の 柿かき 赤い
【YouTube】 あんよのうた / 歌:なげのあやか
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