まっくろけ節
ひょうきん族『しっとるケ音頭』原曲にもなった大正時代の流行歌
大正時代の流行歌『まっくろけ節』は、明治・大正期に活躍した演歌師・添田 唖蝉坊(そえだ あぜんぼう/1872-1944)が作曲者と考えられている。歌詞は様々な替え歌が存在する。
自由民権運動が盛んだった明治時代には、厳しく取り締まられた演説に変わり、『ダイナマイト節』や『オッペケペー節』など、演説の内容を歌に乗せて民衆へ広める演説歌が生まれていた。
唖蝉坊は当初『ダイナマイト節』の歌本を売り歩いていたが、やがて政治的に落ち着きがみられると、演説歌から離れた純粋な演歌・大衆歌を自ら作曲するようになっていく。
『まっくろけ節』、『ノンキ節』、『ゲンコツ節』など、唖蝉坊は生涯で200曲近い演歌・大衆歌を残したとされ、1960年代以降、高石ともや、高田渡、加川良ら日本のフォークシンガーに大きな影響を与えた。
小林旭、なぎらけんいち、越路吹雪など様々な歌手がカバーしており、大正時代を舞台とするアニメ「はいからさんが通る」でも時代を象徴する劇中歌として用いられた。
明石家さんま『しっとるケ音頭』原曲
『まっくろけ節』カバー曲としては、1980年代のバラエティ番組「オレたちひょうきん族」で明石家さんまが歌った「妖怪人間知っとるケ」のテーマソング『しっとるケ音頭』が最も有名だと思われる。
明石家さんまは、『まっくろけ節』以外にも「オレたちひょうきん族」の番組内で日本の古い楽曲をカバーしたコミックソングを生み出しており、有名なものとしては、土佐のお座敷遊び歌『菊の花』の替え歌『あみだくじの歌』が挙げられる。
代表的な歌詞の一例
箱根山 昔ゃ背で越す 駕籠(かご)で越す
今じゃ寝ていて 汽車で越す
トンネルくぐれば まっくろけのけ まっくろけのけ
与市兵衛 杖を頼りに とぼとぼと
オ~イオ~イと 定九郎
提灯ばっさり まっくろけのけ まっくろけのけ
桜島 薩摩の国の 桜島
煙を吐いて 火を噴いて
十里四方が まっくろけのけ まっくろけのけ
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